ある寒い冬の日のこと、ニューヨークに住むレニー・ベセラさんが目を覚ますと、窓の外に猫の姿を見つけました。猫のそばには幼い子猫達の姿もありました。

母猫はあまり人間と接したことがなかったようで、レニーさんが近づくとすぐに逃げ出してしまいました。

普段から近所の猫達の世話をしていたレニーさんは、寒さの中で過ごしている猫の親子を放っておくことができませんでした。そこで親子を助けるために、ある計画を実行することにしたのです。

レニーさんは家の庭に寒さをしのげる避難所を建てて、母猫がその場所に慣れたら、親子を一緒に保護することに決めました。

レニーさんと婚約者のナサニエル・ステイヤーさんはすぐに必要なものを集めてきて、窓の外に避難所を作りました。そして親子の様子を見守り始めました。

「残念なことに私達が母猫を捕まえる前に、彼女はどこかへと姿を消してしまいました。でも子猫達を保護することに成功しました」とレニーさんが言いました。

その後、レニーさん達は子猫達を2ヶ月間養育し、地元の保護施設の協力を得て、子猫達全員を無事に里親さんの元へと送り出しました。

レニーさんはその後も近所の猫達の世話を続け、TNR活動（野良猫の不妊去勢手術を行い、元の場所に戻す活動）にも取り組み始めました。そして猫達の世話をしながら、いつか母猫が戻ってくることを願ったのです。「母猫は秋に一度だけ姿を現しましたが、その時も彼女を保護することはできませんでした。」

そしてまた寒い季節がやって来て、ニューヨークは猛烈な寒さと吹雪に襲われました。そんな中、家にいたナサニエルさんは、窓の外から聞こえてくる物音に気づいたのです。

ナサニエルさんが窓の方を向くと、そこには見覚えのある顔がありました。母猫は再び窓の外に戻ってきて、助けを求めてきたのです。

母猫の耳の片方は少しだけカットされていました。どうやら母猫は誰かに保護されて、避妊手術を受けていたようです。

レニーさん達は母猫に『チャンク・チャンク』と名付けていました。

「チャンク・チャンクは厳しい吹雪の中を必死に生きていました。彼女はパニックになっていて、暖かくて安全な場所を探していました。」

ナサニエルさんが窓を開けるとすぐにチャンク・チャンクが家の中に飛び込んできましたが、それからしばらくの間、環境の変化に少し戸惑っていました。

「チャンク・チャンクはその場を走り回って、閉まった窓の方へと向かいました。でも私が彼女をお風呂に入れる頃には、随分と落ち着きを取り戻していました。彼女は抱っこされることに幸せを感じたようで、嬉しそうに頭を擦りつけてきました」とナサニエルさんが言いました。

ナサニエルさんは仕事中のレニーさんに、チャンク・チャンクを保護したというメッセージを送りました。レニーさんはそのメッセージを見てとても驚き、幸せな気持ちに包まれたそうです。

その後ふたりが再会すると、チャンク・チャンクはレニーさんのことを覚えているようでした。

「私がチャンク・チャンクに会った時、彼女は物陰に隠れていました。でも私が彼女に向かって手を伸ばすと、彼女はすぐに喉を鳴らし始めました」とレニーさんが言いました。

「私達は定期的にチャンク・チャンクを抱っこする時間を作りました。彼女は私の膝の上で丸くなって、身体を撫でると幸せそうな表情を見せてくれるようになりました。」

レニーさん達はチャンク・チャンクを動物病院へと連れて行き、そのまま家族の一員として迎え入れました。

「チャンク・チャンクはとっても甘えん坊で、いつも私達に抱っこを要求してきます。彼女はいつも大人しいですが、何か伝えたいことがある時は優しく鳴いてきます。彼女はまるで赤ちゃんのようで、全身を撫でられるのが大好きです」とレニーさんが嬉しそうに話してくれました。

こうして凍えるような吹雪の中、窓の外に現れたチャンク・チャンクは、レニーさん達のおかげで暖かい生活を送り始めることができました。チャンク・チャンクはこれからも優しい家族にたくさんの愛情を注がれながら、幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう(*´ω｀*)
出典：chunkchunkthecat／lovemeow