今から数ヶ月前、1匹の野良猫がある家の玄関前に現れて、玄関マットの上で横になりました。そこに住人家族が帰ってくると、予想外の訪問者の姿を見て驚きました。
その後、家族が玄関ドアを開けると、猫はまるでこの家を所有しているかのように、スッと家の中へと入ってきました。猫はすぐに家族に身体を撫でることを許して、愛らしい声で挨拶してきました。
猫は家族が用意してくれたご飯を食べて、水で喉の渇きを潤すと、仮設のベッドで眠り始めました。猫は家の中に入れてもらえたことに大きな喜びを感じていましたが、この日の行動が自分の人生を永遠に変えることになるとは思ってもいませんでした。
家族は猫が3本足で歩いている姿を見て、後ろ足に何かの問題を抱えていることに気づきました。家族は猫が必要な治療を受けて、より良い生活が送れるように、保護施設『シャトン・オルフラン・モントリオール』に連絡をしました。すると話を聞いた保護施設のセリーヌ・クロムさんがすぐに行動を起こして、猫を輸送するための手配を行いました。
その後、動物病院に運び込まれた猫を獣医さんがレントゲン撮影すると、他の動物による噛み傷が原因で後ろ足に感染症を患っていることが分かりました。
「私達は多指症の猫に『ヘミングウェイ』と名付けました。彼は野外で自分自身を守ることに疲れ切っていて、路上での生活に別れを告げたいと思っていました」とセリーヌさんが言いました。
「ヘミングウェイは人間のことを怖がっておらず、私達のケアもすんなりと受け入れてくれました。また彼はすぐに抱っこさせてくれて、私達がしばらくかまってあげられないでいると、自ら愛情を求めてアピールしてきました。」
その後、獣医さんの適切な治療によって、ヘミングウェイは再び4本足で歩くことができるようになりました。「ヘミングウェイが養育主さんの家に行くと、まるで自分の家にいるかのように、すぐに新しい環境に落ち着きました。彼はさっそく養育主さんのことを抱きしめ始めました。」
ヘミングウェイは毎回かまって欲しくなると躊躇するなく養育主さんに向かって鳴き始めて、自分が望んでいるもの全てを手に入れました。
さらにヘミングウェイは仰向けになって、悲しそうな瞳で見つめてくることもありました。「ヘミングウェイはとってもおねだり上手で、いつもみんなに愛されたいと思っています。」
ヘミングウェイはその優しくて甘い性格で、みんなの心を次々ととりこにしていきました。ヘミングウェイはいつも人間のやっていることに興味津々で、いつでも人間を抱きしめる準備ができているのです。
「ヘミングウェイはよくアヒルのような鳴き声で話しかけてきます。彼は養育主さんに一日の冒険についての話をしたり、気を引くために積極的に話しかけたりしてきます。そして誰かに撫でられると、とっても幸せそうな姿を見せてくれます。」
「ヘミングウェイの心の中はまだまだ子猫のようで、遊びたくなると養育主さんのことを探し始めます。彼は部屋のドアを閉められるのが嫌いで、再びドアが開くまで抗議の鳴き声を上げています」とセリーヌさんが話してくれました。
ヘミングウェイは現在、一日の多くの時間を窓辺で暖かい太陽の光を浴びながら過ごしています。ヘミングウェイはいつでもハグができるように、両手を広げながら幸せそうに眠っていることがよくあるそうです。
こうして数ヶ月前まで野外で厳しい生活を送っていたヘミングウェイは、完全にハグ好きの猫へと生まれ変わりました。あの日、玄関の前で住人の帰りを待っていたヘミングウェイは、今ではすっかり家猫生活を楽しんでいて、幸せいっぱいの毎日を送っているのです。
出典:comrescuemontreal/lovemeow
This post was published on 2023/10/08