ある日、『ビヌー』という名前の生後7週の子猫が、独りぼっちになっていたところを保護されました。ビヌーは多くの健康上の問題を抱えた状態で、保護施設『シャトン・オルフラン・モントリオール』に運ばれてきました。
「ビヌーはまだ乳離もしていない時に置き去りにされてしまいました。彼は非常に低体重で、長い間胃の問題を抱えながら生きてきました」と保護施設のセリーヌ・クロムさんが言いました。
ビヌーはすぐに治療を受けて、全身を綺麗にしてもらいました。ビヌーは辛い経験をしてきたにもかかわらず、とても友好的で、たくさんの愛情を求めてきました。
適切な看護と栄養価の高いご飯のおかげでビヌーは着実に成長していき、胃の問題が日に日に改善していきました。そしてついに健康な状態に戻ると、ビヌーの個性は完全に開花しました。
「ビヌーは獣医さんにもはっきりと発言するようになり、赤ちゃんのように抱っこしてもらうのが大好きになりました。そして養育主さんの家に行くとすぐに、固形食が食べられるようになりました。」
そんなビヌーは養育主さんに注目されるのと同じくらいに、常に遊ぶことのできる友達を熱望していました。
ビヌーが身体を回復させている間に、数週間年下の子猫が独りぼっちになっていたところを保護されました。子猫はとても身体が弱く、同じ年齢の子猫の半分ほどの大きさしかありませんでした。
保護施設のスタッフ達は3時間ごとに子猫にミルクを飲ませ、傷の手当てを行いました。それから数日間の入念なケアで、子猫はついに元気を取り戻し、自分で哺乳瓶からミルクを飲めるほどに強くなりました。
「私達は子猫に『トルーパー』と名付けました。彼はとても強い精神の持ち主で、活発に動き回れるようになりました。私達のところに来た時の彼は非常に痩せ細っていましたが、毎日体重を増やし、着実に力をつけていきました。」
トルーパーは愛情に飢えていたため、チャンスがあるたびに先住猫達に擦り寄りました。トルーパーは再び独りぼっちになりたくなくて、常に一緒にいることのできる友達を強く望んでいました。
トルーパーが健康な状態を取り戻し、他の保護子猫達と交流する準備ができた時、先に保護されていたビヌーに会いました。するとふたりは一瞬で意気投合して、すぐに一緒に遊び始めたのです。また年上のビヌーはまるでお兄さんのように、トルーパーの毛づくろいをするようになりました。
その日以来、ふたりは一緒に部屋中を駆け回って、無邪気にプロレスごっこをしながら楽しい時間を過ごしています。そして遊び疲れると、窓辺のベッドやキャットツリーで一緒に丸くなって眠り始めるのです。
ふたりは出会った瞬間から切り離すことにできない兄弟になったのです。
ビヌーはトルーパーに遊びのコツや必要なスキルを教え、トルーパーを清潔に保つために一日に何度も毛づくろいをしています。
一方のトルーパーもビヌーと一緒に居られることに幸せを感じていて、いつもビヌーのことを尊敬しているそうです。
優しい人達のおかげで2度目のチャンスを得たふたりは、今ではイタズラのパートナーとして元気いっぱいの毎日を送っています。少し前まで野外で独りぼっちだったふたりは、お互いの愛情で孤独を感じることなく、いつも安心しながら過ごしているのです。
完全に切り離すことのできないふたりは、これからもずっと一緒の家で暮らしながら、幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:comrescuemontreal/lovemeow