ある日、アパートの外に置き去りにされていた猫の兄弟『ケーシー(キジ白猫)』と『ジョジョ(茶白猫)』が発見されて、地元で保護活動を行なっている人達によって保護されました。その後、保護施設『エクスプロイツ・バレー・SPCA』にやって来た猫達は、非常に怖がっていて、物陰から出て来ようとしませんでした。
「猫達はお互いに人間のことを信頼するのに苦労していました。ふたりは施設が閉まって静かになると、ゆっくりと物陰から出てきて、新しい場所を慎重に調べ始めました」と保護施設のスタッフが言いました。
猫達は人間の往来や物音に神経質になっていて、全ての人から身を隠しました。「ふたりは施設の環境に慣れなくて、物陰から出ようとしませんでした。そのため施設を訪れた人達がふたりに目を向けることはありませんでした。ふたりは他のフレンドリーな猫や子猫達と一緒に里親さんを探していましたが、誰もふたりのことを迎えようとはしませんでした。」
ケーシーはジョジョよりも臆病で、一切人間と関わろうとはしませんでした。一方のジョジョは新しい環境に慣れてくると、勇気を出してスタッフ達に近づくようになりました。
「ふたりは最初から人間の腕の中に飛び込むタイプの猫ではありませんが、それはふたりが人間のことを愛していないということではありません。ふたりの心の中には誰かに甘えたいという気持ちがありましたが、どのように甘えたらよいかが分かりませんでした。」
そんなケーシーとジョジョには温かい愛情を教えてくれる、信頼することのできる生涯の家族が必要でした。
そして半年以上が経った時、サシャという名前の女性が家を探しているふたりのことを知り、ふたりに会わなければならないと強く感じました。
サシャさんは猫を家族に迎えたい両親のために、猫を探す手伝いをしていました。「私はケーシーとジョジョのことを知ると、すぐに保護施設に連絡をしました。するとふたりが施設で最も長く過ごしている猫で、非常に怖がりのため特別な愛情と世話を必要としていることを伝えられました」とサシャさんが言いました。
翌日、サシャさんが保護施設を訪れるとすぐにふたりに会いたいと伝えました。「スタッフが最初に私に言ったのは、ふたりが様々なものを怖がっているということでした。さらにケーシーは自分のそばに誰も近づかせないようにしていると言われました。」
「スタッフの言うことは本当でした。ケーシーはずっと一番高いところにあるケージの中に隠れていて、ジョジョも隠れる場所を探していました。」
その後、サシャさんは施設で他の猫にも会いましたが、ケーシーとジョジョへの気持ちが変わることはありませんでした。「私は両親と話をするために家に帰り、ケーシーとジョジョを一緒に家族に迎えることに決めました。」
翌日、サシャさんはふたりを迎えに行って、ふたりと一緒に帰宅しました。
そして、ふたりが生涯の家で暮らし始めてから1ヶ月後、ついにふたりの本来の姿が表に出てきました。ケーシーとジョジョは自分達の殻を破り始め、家の中でくつろぐようになったのです。
「ジョジョは撫でてもらうために私達の手にすり寄ってきて、嬉しくなると背中で転がりながらお腹を見せてきます。ケーシーは自ら撫でられに来ることはありませんが、一度撫でられると幸せそうに受け入れます。」
「またお母さんが毎朝仕事に行く準備をしていると、ふたりは寝室のドアの前に座って、朝食が用意されるのを待っています。さらにお父さんが料理をしていると、ふたりは自分達も食べられるのではないかとウズウズしています」とサシャさんが話してくれました。
ふたりは日に日に人間への信頼を深めていて、少しずつ家族と接する時間が長くなってきているそうです。
こうして人間や周りの環境を怖がっていたため、長い間誰にも引き取られなかったふたりは、自分達にピッタリの最高の家を見つけることができました。これからもふたりはさらに人間のことを信頼していき、たくさんの愛情を感じながら幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:EvspcaAdoptables/lovemeow
This post was published on 2023/04/19