ある日、7歳の猫の『サラビ』が救急動物病院に運ばれてきました。残念ながら飼い主さんはサラビを世話するための余裕が無くなってしまったため、サラビを手放さなくてはなりませんでした。
病院に来る10日前、サラビは1匹の子猫を出産しましたが、残りの子猫を出産するのに苦労していました。そして病院に運ばれてきたサラビは、すぐに帝王切開をしなければならない状態に陥っていたのです。
結局、最初に産まれた子猫だけが唯一の生存者になりました。獣医さん達はサラビを死の淵から連れ戻すために全力を尽くしました。
その後、病院から保護施設『ワン・キャット・アット・ア・タイム』の創設者のマリーさんの元に、猫の親子を助けるために力を貸して欲しいという連絡が入りました。
マリーさんはサラビが治療を続けられるように、親子を世話することのできる養育主さんを見つけました。養育主さんは親子に温かい手を差し伸べ、快適な環境の中で世話を始めました。
「『シンバ』と名付けれられた子猫はサラビの宝物でした。サラビは辛い経験をしたにもかかわらず、シンバをとてもよく世話しています」とマリーさんが言いました。
「サラビの命を救った獣医さんは、手術、入院、処方薬などの全ての費用を負担しました。」
サラビが回復している間にシンバは目を開き始めました。シンバは食欲が旺盛で、その小さな身体の中には強い意志がありました。養育主さんはサラビの代わりに24時間体制でシンバにミルクを飲ませ、しっかりと世話を続けました。
その後、身体が回復してきたサラビは、シンバの世話により多くの時間を費やすようになりました。サラビはシンバの全ての要求に応えながら、力を取り戻すためにたくさんの食べ物でお腹を膨らませました。
それから数日でサラビはさらに体調を回復させ、全身の毛が日に日にフワフワになっていきました。
そんな中、シンバはミルクを卒業して、離乳食で着実に大きくなっていきました。シンバは好奇心旺盛な子猫に成長し、失敗を恐れずに様々なことにチャレンジするようになりました。
そんなシンバの元気な姿を見て、サラビはようやくリラックスすることができました。するとサラビの本来の甘えん坊な性格が表に出てきて、より多くの時間を人間と一緒に過ごすようになったのです。
サラビは子育てを終わらせると身の回りのものに興味を持つようになり、まるで子猫のようにオモチャで遊んだり、部屋の中を駆け回るようになりました。
またサラビは養育主さんに何か伝えたいことがある時は、躊躇することなく話しかけてきました。そして養育主さんに寄り添いながら、一緒にテレビを楽しんだりしていました。
一方のシンバもとても人間好きの性格になり、抱っこされたり撫でられたりすると幸せそうにとろけました。またシンバは養育主さんの家にいる他の子猫達と友達になり、猫用のご飯が入ったお皿からこっそりとご飯を食べることが上手になりました。
シンバの口には軽度の異常があったため、アゴを安定させるために数本の歯を手術で取り除きました。
シンバはお母さんと同じように全身の毛がフワフワになってきて、定期的にブラッシングされるのが大好きになりました。
一方、養育主さんの元で8歳を迎えたサラビは、家の中で女王のように暮らしていて、生涯の家に旅立つ準備ができていました。
そんな中、サラビの話を知った家族が、愛らしいサラビに恋をしました。家族はサラビを家に迎えることを決めて、保護施設に連絡をしました。
その後、生涯の家にやって来たサラビはすぐに新しい環境に順応して、自信たっぷりにシッポを立てながら家の中を散歩したり、心ゆくまで遊んだりするようになったそうです。
こうして優しい人達のおかげで命をつないだサラビは、驚くほどのフワフワの猫へと生まれ変わり、新しい人生を歩み始めました。これからもサラビはたくさんの愛情を感じながら、温かい家族と一緒に幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:unchatalafois/lovemeow
This post was published on 2023/01/31