ある日、生後8ヶ月の若い猫が食べ物を探して、夜の通りを彷徨い歩いていました。そして猫はある家の裏庭に足を踏み入れて、家の住人の様子を観察し始めました。この時の猫はまだ知りませんでしたが、この家は空腹を満たしたい猫にとって一番最適な場所だったのです。
家の住人のダニエルさんは保護施設『ウィズ・グレイス』の創設者で、これまでに多くの困った猫達を救ってきました。ダニエルさんは裏庭に迷い込んだ猫の姿を見つけると、近所の人達に連絡をして、猫の飼い主さんがいないかを確認しました。しかし誰も猫のことを知る人はいませんでした。
「近所には白黒猫のコロニーがありますが、彼がこのコロニーの猫かは分かりませんでした」とダニエルさんが言いました。
ダニエルさんは猫を保護すると、いつもお世話になっている動物病院へと連れて行きました。そこでマイクロチップを探してもらいましたが、結局見つけることはできませんでした。のちに『バディー』と名づけられた猫は、去勢手術と病気の検査を受けて、白黒猫のコロニーに放されました。
ちょうどこの時、ダニエルさんの家は全ての養育部屋が救助した猫や子猫達で埋まっていて、新しい猫を世話することができませんでした。そこでダニエルさんは野外に戻したバディーが食事に困らないように、毎日裏庭にご飯を置くことにしました。「もしバディーが今後も裏庭に来続けるようなら、私が生涯の家を見つけることを彼に約束しました。」
バディーはその後も食事のために裏庭に戻ってきました。そして、ゆっくりとですが確実に、ダニエルさんや家族の近くで快適な時間を過ごすようになっていったのです。時間が経つにつれて、バディーはダニエルさんの飼い猫とも交流を望むようになっていきました。
「私はバディーの信頼を得るために動き始めました。私達は彼と仲良くなるために1週間ほど様々なことを試みましたが、彼は家の中に入ることを躊躇していました。彼はいつもガラス窓の外に座りながら私達や愛猫のことをじっと見つめてきましたが、家の中に入るための十分な勇気は持っていませんでした。」
ダニエルさんはバディーが室内生活に馴染めるかどうかを確認するために、裏庭に捕獲器を設置して保護することに決めました。そして設置してから数分ほどで、バディーはその中へと入ってきました。
バディーはずっと路上で生活してきたため、室内生活を受け入れるのは簡単なことではありませんでした。ダニエルさん夫婦はふたりでチームを組んで、交代でバディーと一緒に過ごし、室内生活に慣らそうとしました。
しばらくするとバディーは自分が安全な場所にいて、室内生活がそれほど悪くないことに気づき、自分の殻から出てきて愛情を求め始めました。
「バディーは徐々に自信を持ってきて、人間とのやりとりを楽しむようになり、甘えてくるようになりました。」
バディーが初めてオモチャを見た時、それをどうすればいいか分かりませんでした。しかし、オモチャで遊ぶことに喜びを見つけると、バディーはオモチャに夢中になって、様々なオモチャで遊ぶようになりました。
「バディーはとてもお茶目で、好奇心が旺盛で、愛らしい猫です。ある時、彼は夫のそばで二本足で立ち上がり、足を抱きしめたり、攻撃したりしてきました。」
バディーはとても個性豊かな猫で、室内生活を受け入れた日から、幸せで、活発で、イタズラ好きの猫へと生まれ変わったのです。
「バディーはまだ子猫の年齢ですが、年齢よりも非常に大きな身体をしています。彼はいつもエネルギーに満ち溢れていて、私がどれだけ一緒に遊んでも、止まることはありません。」
そしてバディーはついに生涯の家に旅立つための準備を整えました。
それからすぐにライアンさんとジェイクさん夫婦がバディーの投稿を目にして、一瞬で心を奪われました。夫婦は少し前に愛猫のシャドーを失ったばかりでしたが、バディーの何かが夫婦の心を強く動かしました。
そして2日前、バディーは『ジギー・バディー・パレルモ』に名前を変えて、夫婦の家で暮らし始めました。
「バディーは家族の一員になり、私達との生活を始めました。彼はとても優しくて愛情深い猫です。彼はシャドーを失った私達の心の傷を癒し、家の中にたくさんの笑顔と幸せを運んできました」とライアンさんが話してくれました。
こうして食べ物を探して路上を彷徨い歩いていたバディーは、新しい人生を歩み始めるための最適な家に迷い込みました。バディーは現在、生涯の家で愛されていて、何不自由ない幸せいっぱいの毎日を送っているのです。
出典:withgracerescue/lovemeow
This post was published on 2021/10/12