ある日、猫の『アイダ』が路上から助け出されて、保護施設『タビーズ・プレイス』へと連れて来られました。アイダは妊娠中で、視覚に障がいがあり、歯の治療を必要としていました。
アイダは施設で出会った全ての人に優しく接し、たくさんの愛情に幸せを感じていました。そんな愛情深いアイダのお腹を獣医さんが調べると、出産までには1〜2週間ほどの時間がかかることが分かりました。
しかし、ここで予想外のことが起こりました。まだ出産予定日まで時間があったアイダでしたが、保護されてすぐに出産を始めたのです。
その後、生まれてきた子猫達は早産のために体重が僅か55gしかありませんでした。獣医さんと施設のスタッフ達は子猫の看護に全ての力を注ぎ、3匹の子猫は何とか命をつなぐことができました。
「出産後のアイダはミルクを出していましたが、子猫達がとても小さかったためミルクを飲むことができませんでした」とスタッフは言いました。
そこでスタッフ達はすぐに経験豊富な養育主さんに連絡をして、細いチューブを使って2時間おきにミルクを飲ませ始めました。「3匹の子猫達は身体がとても脆く、成長するためには人間の助けが必要でした。」
子猫達が持ちこたえられるかは誰にも分かりませんでしたが、養育主さんは決して諦めませんでした。子猫達は養育主さんによる24時間のケアを受けながら、アイダの毛づくろいで常に綺麗な状態に保たれていました。
そのおかげで2日後には子猫達の体重が増え始め、アイダのミルクを飲むことができるようになったのです。
子猫達は毎日成長を続け、1週間後には113gまで体重を増やすことができました。
子猫達はそれぞれ『アガタ』、『マリーシア』、『アルツール』と名づけられました。愛情深いアイダは子猫達のそばを片時も離れることなく、たくさんの愛情を注ぎ続けました。
それから数週間で子猫達はイタズラ好きのヤンチャな子猫に成長しました。一方のアイダは、いつもたくさんの愛情を注いでくれる養育主さんに寄り添う時間が増えたそうです。
「アイダはとても甘い女の子で、素晴らしいお母さんです。」
「アイダは膝の上で横になるのが大好きで、いつも養育主さんの周りを歩き回り、愛情と頭をぶつけてきます。現在9歳くらいの彼女は、いつも全身から愛情が溢れています。」
「私達はこの親子と出会い、子猫達が成長していく姿を見ることができて、心から幸せを感じています。そして、ずっと野良猫として生きてきたアイダが人間のことを信頼し、嬉しそうに甘える姿にいつも心が温められています。」
「アイダの子供達はみんな、独り立ちできるくらいの年齢に近づいてきました。きっともう少しでアイダは生涯の家に向かうことになるでしょう。」
「私達は最初、子猫達が生き残ることができるか分かりませんでした。子猫達はとても早く生まれ、体重不足で、弱々しい身体をしていました。」
しかし、とても小さかった子猫達はアイダや養育主さんの愛情で命をつなぎ、大きく成長することができたのです。
そして、立派に育った子猫達のことをアイダは誇りに思っているのです。
こうして未熟なまま生まれた子猫達は危険な状態を乗り越え、家の中を元気に駆け回るようになりました。アイダや養育主さんにたくさんの愛情を注がれた子猫達は、これから出会う新しい家族の元にも、たくさんの幸せを届け続けることでしょう。
出典:TabbysPlace/lovemeow
This post was published on 2019/09/17