今から3年前、イギリスに住むレイラさんと家族は、今の家に引っ越して来ました。そして引っ越した直後から、勝手口のドアに1匹の猫が姿を現すようになったのです。
「猫は非常に汚れていて、痩せているように見えました。私は彼を放っておくことができなくて、自然とご飯をあげるようになりました。そして彼はご飯を食べるために、何度も家に姿を現しました」とレイラさんは言いました。
家族は猫に『トム』と名づけました。トムは食事の時間に現れて、家族の注意を引くためにニャーニャーと鳴き始めるそうです。
その後、トムが家族に身体を撫でさせるまでには、あまり時間はかかりませんでした。無事にトムに近づけるようになったレイラさんは、トムの全身にたくさんのノミがついているのを発見したそうです。
レイラさんは隣の住人にトムのことを尋ねてみました。
「私はある日、隣に住む夫婦にトムのことを聞いてみましたが、今までに一度も彼の姿を見たことがないと言われました。そこで私は地元の迷子猫のFacebookページで彼のことを質問してみました。」
残念ながらトムを知る人は見つかりませんでしたが、レイラさんの投稿を見た人が、トムに必要な治療を受けさせるために、捕獲器で保護することを提案してきたそうです。
レイラさんは早速トムを捕まえると、動物病院へと連れて行き、トムと一緒に帰宅しました。しかしトムは室内を怖がって、すぐに物陰に隠れてしまったそうです。
「トムは新しい環境をとても怖がっていたため、ダイニングテーブルの辺りに留まり続けました。私は彼の信頼を得るために、時間をかけてゆっくりと彼に近づき、一緒の時間を過ごしました。」
するとトムはゆっくりと自分の殻から出てきて、新しい環境に慣れていきました。そして2ヶ月後には、トムは2階にも足を運べるようになり、完全に家の中を歩き回れるようになったのです。
さらにトムは先住猫の『エリック』とも打ち解けていきました。
そんな中、レイラさんは近くに住む夫婦に声をかけられました。
「その日、近所の夫婦が私を呼び止めて、トムが私の猫かどうかを尋ねてきました。私はすぐに『Yes』と言って、トムが家に落ち着くまでの経緯を話しました。」
実はこの夫婦は何年も前からトムのことを知っていましたが、どうしてもトムの心を開くことができませんでした。夫婦はトムのことを『ニール』と呼んで、ご飯の世話をしていたそうです。
トムのことをずっと心配していた夫婦は、トムに新しい家が見つかったことにとても興奮していました。
優しいレイラさんに保護されたトムは、もう食事の心配も避難場所の心配もいりません。今のトムはとっても健康的で、大好きな家族と一緒に幸せな毎日を送っているのです。
「トムはすっかり家族の一員になっていて、私の膝の上で丸くなるのが大好きです。彼はとってもおしゃべりで、自分の思い通りにいかない時は大きな声で話しかけてきます。」
「私には障がいのある2人の子供がいるのですが、トムは2人が気を荒くした時に私のことを助けてくれます。彼は私が必要としている時に必ず現れて、みんなの気持ちを落ち着かせてくれます。」
「トムには素敵な個性があります。彼はいつもそばにいてくれて、私のことを見守ってくれています。私は今までに彼のような猫に出会ったことがありません。彼は本当に愛らしい猫です」とレイラさんは嬉しそうに話してくれました。
こうして引っ越しの直後に現れたトムは、レイラさんに保護されて、そのまま一緒に暮らし始めました。これからもトムはレイラさんや家族のことを見守りながら、安全な家の中で幸せな毎日を送っていくことでしょう。
出典:Leilah/lovemeow
This post was published on 2018/09/03