数週間前のこと、足が弱くて雪の中でつまずいていた1匹の猫が発見されました。猫は切実に人間の助けを必要としていました。
猫を見つけた人がソーシャルメディア上に救助要請を出すと、地元の保護団体のボランティア達が行動を起こしました。ボランティア達はすぐに猫を探しに向かいましたが、残念ながら猫の姿はどこにもありませんでした。
結局猫は近くに住む12歳のデビッド君によって保護されることになりました。
デビッド君は雪の中をフラフラしながら歩き、後ろ足を動かすことが困難になっている猫の姿を見つけました。デビッド君は猫をそのまま残していくことができなかったため、自分で助けることを決意しました。
「デビッド君は猫を抱き抱えて、両親の元に連れて帰りました。猫は疲れ切っていて、走ることもできず、ゆっくりと動いていました」と保護施設『シャトンズ・オルフランズ・モントリオール』のセリーヌ・クロムさんが言いました。
両親が猫を家の中に留めている間に、デビッド君は猫に『オスカー』と名付けました。
一方、オスカーのことを探していた保護団体のボランティアのヴェロニクさんとギレーヌさんは、保護されたオスカーのことを知るとすぐに支援を申し出ました。そして二人がオスカーの世話を始めると、オスカーの後ろ足が弱っていて、左足が本来とは逆の方向に曲がってしまうことに気づきました。
また二人はオスカーが盲目で、目の見えない状態で路上を彷徨い歩いていたことを知りました。
オスカーはとても優しい心の持ち主で、家の中に連れて来てもらえたことにとても感謝していました。オスカーは食べ物と水分を摂取した後、暖かい毛布の上で横になって、寝心地の良いベッドで深い眠りにつきました。
二人はオスカーが必要としている治療を受けられることを願って、セリーヌさんの保護施設に助けを求めました。
「オスカーが私達のところに来た時、彼の状態は良くありませんでした。彼は熱があり、脱水症状に陥っていて、体重は僅か2.5kgしかありませんでした。彼は深刻な感染症と闘っていました」とセリーヌさんが言いました。
オスカーは熱を抑えるために動物病院に残り、スタッフ達による24時間体制の治療を受けました。そんな熱心なスタッフ達のおかげでオスカーは徐々に体力を取り戻していき、ついに回復へと向かい始めました。
そして保護から5日後、オスカーの体温は平熱に戻り、養育主さんの家で治療を続けることになったのです。
オスカーは新しい環境にすぐに慣れて、身体を撫でられるとゴロゴロと喉を鳴らすようになりました。
「オスカーは網膜萎縮症のため目が見えませんが元気に過ごしています。彼は音に反応して動き、家の中を上手に移動することができるため、彼の目が見えていないことに気づかない人もいることでしょう。彼の左の後ろ足は靭帯を失っている可能性があり、それが原因で足首が正常に動かない状態になっています」とセリーヌさんが話してくれました。
オスカーは旺盛な食欲によって体重が450gほど増加し、全身がエネルギーで満たされました。これからさらに足に力が入るようになると、徐々に歩行が安定していくことでしょう。
オスカーは人間と会話をしたり、みんなが優しく話しかけてくれることを楽しんでいます。オスカーは好奇心の赴くままに動き回れるようになり、日に日に活発になってきているのです。
オスカーは数週間前に救出されて以来、長い道のりを歩んできました。優しい人達の助けを借りて空腹と寒さから逃れることができたオスカーは、これからもずっと暖かくて安全な家の中で幸せな毎日を送っていくことでしょう。
出典:comrescuemontreal/lovemeow