ある寒い日のこと、食べ物を求めて街中を彷徨い歩いていた茶白猫が保護されて、地元の保護施設『エクスプロイツ・バレー・SPCA』に運ばれてきました。
猫は凍傷を負っていて、体にはたくさんのノミがついていましたが、ついに安全な場所に辿り着くことができました。猫はこれまで大変な経験をしてきたにもかかわらず、人懐っこい性格で、人間の愛情に喜びを感じていました。保護施設のスタッフ達はお喋りな猫に『チャットマン』と名付けて、里親募集を始めました。
「チャットマンはとってもフレンドリーで、ケージの中にいるのが好きではありませんでした。」
チャットマンはノミを駆除してもらい、適切な治療によって凍傷から回復し始めました。チャットマンは保護施設で他の猫を受け入れることを学んで、他の猫と1つの部屋を共有できるようになりました。そのおかげでケージの中で生活しなくてもよくなりました。
「薬のおかげですぐにノミがいなくなったチャットマンは、去勢手術を受けた途端、強がりな態度が消えました。チャットマンは凍傷で片方の耳の先を失いましたが、どうやら本人はそのことを気にしていないようです。」
チャットマンは毎日、訪問者が来るたびに家に連れて行ってくれるのを期待しました。誰かが立ち寄るたびにチャットマンは自分の魅力を発揮して、愛らしいポーズを取ったり、寄り添ったり、顔を擦り寄せたりしながらアピールし続けました。
すると地元でお店を経営している夫婦がチャットマンを迎えることに決めて、お店のマスコットにしました。チャットマンはすぐにその場所に馴染んで、お店のボスになりました。
しかし時間が経つにつれて、チャットマンはお店の外に出たがるようになって、自分の気持ちを抑えきれなくなりました。「夫婦はチャットマンの冒険を止めることに苦労しました。彼はよく外に出かけて、街の中をウロウロするようになりました。」
やがてチャットマンは農場に迷い込みました。そして他の猫達に囲まれると、かつてのオス猫の本能が再び目覚めて、縄張りを守ろうとして戦うようになったのです。
自分達ではチャットマンに安全で幸せな生活を送らせることができないと悟った夫婦は、チャットマンを再び保護施設に戻すことに決めました。「チャットマンはまるで長い間会っていなかった友人のように、私達の施設に戻って来ると、早速みんなにハグをしました。」
スタッフ達はチャットマンにピッタリの家がどこかにあると信じていました。「チャットマンは大きな猫用のパテオがある家や、何か素敵なアイデアを持っている人に出会えるかもしれません。彼は本当に愛らしい猫で、ハグをしたり、お喋りをしたりするのが大好きです。私達は彼がずっと幸せに暮らせるように、最善を尽くしていこうと思っています。」
しばらくの間、チャットマンは果てしない冒険を追い求めているように見えましたが、最終的にチャットマンが求めていたものが『最高のつながり』だということが明らかになりました。チャットマンは自分にピッタリの飼い主さんを探していたのです。
「これまで街の中を彷徨い歩いていたチャットマンですが、今では新しい家で出会った少年に夢中になっています。」
その少年はサリバンという名前で、クリスマスのプレゼントにトラックのオモチャと茶色の猫が欲しいと両親に伝え、両親はすぐに人懐っこい猫を探し始めました。「ちょうどその時、チャットマンが見つかりました。彼のプロフィールを読んで、私達にピッタリの猫だと感じました」とサリバン君の両親が言いました。
そして、サリバン君の家で暮らし始めたチャットマンは『ロケット』に名前を変えました。ロケットはすぐにサリバン君との絆を深めて、家の至るところでサリバン君の後をついて回るようになりました。ロケットは一日に何度もサリバン君に寄り添って、ソファーやベッドで一緒の時間を過ごしました。その姿はまるでサリバン君のボディーガードのようでした。
結局ロケットは冒険を求めていたのではなく、自分の飼い主さんを探していたのです。そしてついに飼い主さんを見つけた時、ロケットはここが自分の家だと決めました。
「サンタさんはサリバンに素敵なクリスマスプレゼントを届けてくれました。ロケットはもうすっかり私達に馴染んでいて、これ以上私達にピッタリの猫と出会うことはないでしょう。それはまさにクリスマスの奇跡です」とサリバン君の両親が嬉しそうに話してくれました。
This post was published on 2025/12/26