ある日、『ファロン』という名前の幼い子猫が裏庭の水たまりで発見されて、2匹の兄弟と共に保護施設『インディ・ヒューメイン』に運ばれてきました。
子猫達は非常に冷たくなっていたため、急いで保育器の中に入れられました。保護施設のスタッフ達は全ての命を懸命に救おうとしましたが、ファロンだけが何とか命をつなぐことができました。
生後4日だったファロンの体重は僅か110gしかありませんでしたが、不屈の精神で自分の運命と闘い続けました。
養育ボランティアのケルシーさんは、最初の日からファロンが強い意志を持っていることに気づきました。ファロンは小さな体をしていましたが、その中には強い闘志が宿っていました。
「ファロンは体が回復してくるとすぐに哺乳瓶に慣れて、ミルクを飲めるようになりました。彼女は多指症の子猫で人間のような親指を持っていたため、しっかりと哺乳瓶を掴むことができました」とケルシーさんが言いました。
その後、ファロンが目を開くと、さっそく冒険に出かけるようになりました。ファロンは食事が終わるたびに好奇心旺盛な大きな瞳で辺りを見渡して、ヨチヨチ歩きで熱心に探索を続けました。また『ミトン』のような大きな手で、柔らかいブランケットを熱心に揉みほぐしたりしていました。
さらに足腰が強くなると、小さな家具から飛び降りたり、前足が届く場所ならどこにでも登るようになりました。
ファロンは家の中を駆け回って、まるで小さな監視員のように、ケルシーさんや家にいる動物達の様子を興味深そうに観察するようになりました。「ファロンは生き生きしながら、すくすくと成長を続けています。」
ファロンはその後も成長を続け、体重が450gを超えました。ファロンは丸いお腹と力強いゴロゴロ音、そして成猫のような自信を持っていました。またケルシーさんが養育部屋に入ってくるたびに、甲高い声でケルシーさんに挨拶をしました。
そんなエネルギーに満ちたファロンには、一緒に遊ぶことのできる友達が必要で、猫のマナーや他の猫との適切な遊び方を学ぶ必要もありました。「私はファロンに友達を見つけてあげたいと、ずっと心の中で思っていました。」
そんなファロンのことを普段はあまり子猫好きではない先住猫の『タッカー』が迎え入れてくれました。「タッカーはファロンの匂いを嗅いで、自分の頭をファロンの頭に擦りつけました。」
それでもファロンはいつでも遊ぶことのできる友達を求めていました。ファロンは部屋の中をグルグルと回って、ケルシーさんの膝に登るとゴロゴロと転げ回りました。ファロンは明らかに一緒にレスリングをしたり、転げ回ったりする友達を強く望んでいました。
ちょうどその頃、養育ボランティアのベリンダさんが遊び相手を必要としている独りぼっちの子猫の『アイラ』を育てていました。アイラは生後2週間半の時にベリンダさんの家にやって来た子猫でした。アイラはベリンダさんの愛情ですくすくと成長を続け、成長と共に好奇心が高まって、常に注目されたいという気持ちも増していきました。
しかし、ベリンダさんの飼い猫の『ミア』は元気いっぱいのアイラにあまり興味がなかったため、ベリンダさんはアイラの友達を見つけることを決心しました。
ケルシーさんがアイラの話を聞いた時、ファロンとアイラは完璧な組み合わせかもしれないと感じました。「早速ふたりを会わせてみると、1週間年上のアイラがファロンに猫パンチを繰り出したり、シャーと威嚇したりしました。でも1日も経たないうちに、ふたりはすっかり親友になりました。」
その時からふたりは一緒に家中を探索したり、家具から飛び降りたり、追いかけっこをしたり、チームを組んでイタズラを実行したりするようになりました。
ファロンはアイラよりも年下で小柄ですが、アイラのエネルギーに負けることなく、どんな遊びでも互角に渡り合っています。ふたりとも人工哺乳で育てられた子猫ですが、今では元気いっぱいの冒険好きの子猫へと成長しました。
「ふたりは一緒に遊ぶことが大好きで、ただお互いのそばにいるだけで幸せそうにしています。ファロンに一緒に過ごせる友達を紹介することができて本当に嬉しく思っています」とケルシーさんが幸せそうに話してくれました。
こうしてお互いに友達を必要としていたファロンとアイラは、保護先の家で素敵な出会いを果たすことができました。これからもふたりはお互いに愛情を注ぎ合いながら、ふたりで一緒にすくすくと成長していくことでしょう。
This post was published on 2025/11/17