地域猫達の保護に力を入れているドナさんが、この日の朝の巡回を終えた時、建物の上から聞こえてくる子猫の声に気づきました。
気になったドナさんが声のする方に向かうと、屋根の上にいた黒白のハチワレ子猫がドナさんに向かって鳴いてきました。そして子猫から少し離れたところで、母猫が葉っぱの隙間から覗き込んできました。
ちょうどその時、家の所有者であるジョンさんが駐車場に車を停めました。そして、ジョンさんが何が起こっているのかを尋ねると、ドナさんが屋根の上を指差しながら猫達がいることを伝えました。
ドナさんは一度自分の車に戻ってキャリーと食べ物を手に取ると、猫の親子がいた屋上へと向かいました。「私が階段を登ると、他の子猫の姿は無く、母猫もいなくなっていました」とドナさんが言いました。
のちにドナさんは、猫の親子にはかつて世話をしてくれる人がいたものの、もう親子の面倒を見ることができなくなってしまったことを知りました。
ひとりだけ残されていた子猫の姿を見たドナさんは、母猫が子猫を託してきたように感じました。「まるで『この子をよろしくお願いします』と言っているかのように、母猫が子猫を置いて行ったように思いました。」
ドナさんは子猫の近くに食べ物を入れたキャリーを置きました。すると数分後、お腹を空かせた子猫が中に入ってきました。「私は慎重に近づいて行ってキャリーの扉を閉めました。子猫はキャリーの中でウェットフードの缶詰を平らげました。」
ドナさんは『ジョニー』と名付けた子猫を動物病院に連れて行きました。ジョニーは生後11週間ほどでしたが、体重が不足していて、脱水症状に陥っていて、ノミに悩まされていました。病院のスタッフ達はすぐにジョニーに水分補給をして、必要な治療を施しました。
最初から社交的だったジョニーは、周りの人達のことを魅了しました。ジョニーは誰かに抱っこされている時も、食事を楽しんでいる時も、喉をゴロゴロと鳴らし続けていました。
その後、養育主さんの元で過ごし始めたジョニーは、先住猫の『チャコール』と出会いました。ジョニーはさっそく鼻キスをして、ゴロゴロと喉を鳴らしながら新しい友達に挨拶をしました。「ジョニーがチャコールのような『家猫としてのスキル』を教えてくれる友達に出会えたことはとても幸運なことでした。」
ジョニーが養育主さんの家で安全に過ごしている間、ドナさんはジョニーの母親を助けるために保護活動を続けていました。
ドナさんは何とか母猫を見つけて、動物病院で避妊手術と必要なケアを受けさせようと、何度もジョニーを保護した建物を訪れました。しかし、それからしばらく母猫に会うことはありませんでしたが、ある朝ついに聞き覚えのある声を耳にしました。
母猫が再び屋上に姿を現したため、ドナさんは捕獲器を使って保護しました。
一方、ジョニーは養育主さんの家で元気いっぱいの陽気な若い猫へと成長し、いつも養育主さんにイタズラを仕掛けています。「ジョニーはノンストップで遊んでいて、お茶目な仕草でたくさんの笑いを届けてくれます。彼は注目されるのが大好きで、触られるとすぐに喉を鳴らしてフミフミし始めます。」
かつてボサボサだったジョニーの毛並みは、ツヤツヤで滑らかになりました。「良い食事のおかげで、ジョニーの体は驚くほど回復しました。」
ドナさんが初めて屋上からジョニーを保護した時、ジョニーはとても痩せ細っていました。でも生後17週目を迎えた今、体重が当初の2倍以上に増えました。ジョニーは健康的な体を取り戻し、平均的な大きさに追いついたのです。
一方のジョニーの母親は、避妊手術と獣医さんの治療を受けた後、地域猫として再び元の場所に戻されました。今はしっかりとご飯の世話をしてもらっていて、とても快適な生活を送っているそうです。
そして、家の中で過ごし始めたジョニーは新しい環境にすっかり慣れて、生涯の家に行く準備を整えました。今のジョニーはいつも元気いっぱいで、甘えん坊で、生命力に満ち溢れているのです。
「ジョニーはもう二度と、路上や屋上で夜を過ごすことはないでしょう」とドナさんが話してくれました。
This post was published on 2025/09/10