何年もの間、教会のそばで暮らしていた灰白猫は、教会を訪れる人や通行人の心を掴んできました。その猫のファンの一人が、保護施設『リトル・ワンダラーズ・NYC』でボランティアをしているステファニーさんでした。
「私は毎日その通りを通るたびに、舌を鳴らして小さな音を出しました。すると猫はその音で私のことが分かるようになって、毎回私が通るたびに可愛い声でナデナデをおねだりしてくるようになりました」とステファニーさんが言いました。
「猫はとってもフレンドリーな性格で、みんなに注目されるのが大好きでした。」
しばらくの間ステファニーさんは、『スパークルズ』と名付けた猫が教会の猫だと思っていましたが、教会の関係者に話を聞いてみると、それが間違いだったことが分かりました。スパークルズは教会のそばにいつもいましたが、みんなの優しさに頼りながら暮らしている野良猫だということが分かったのです。「スパークルズはとても人懐っこかったため、誰の猫でもないことを知って驚きました。」
そんなスパークルズはこれまでに厳しい冬と暑い夏を何度も経験し、危険の多い通りで命をつないできました。
スパークルズはステファニーさんの姿を見ると、いつもフェンスの隙間から出てきて、ゴロゴロと喉を鳴らしながら挨拶してきました。
しかしある日突然、スパークルズはいつもの場所から姿を消しました。心配したステファニーさんはスパークルズのことを探し続け、ようやくスパークルズの姿を見つけると保護施設に連絡しました。「私は毎日スパークルズがいるかを確認して、約1週間後に教会のそばで彼女の姿を発見しました。」
「スパークルズは上気道感染症を患っていて、ひどい呼吸をしていました。その時の外の気温は随分と寒くなっていました。」
「私はスパークルズについて来るように言いました。彼女は私がウェットフードをくれることを知っていたため、私の後をついて来ました。そして、私が食べ物とキャリーを取りに行っている間、彼女は外で大人しく待っていました。」
その後、ステファニーさんが持ってきたキャリーに猫缶を入れると、スパークルズは真っ直ぐにキャリーの中に入って、路上での生活に別れを告げました。
ステファニーさんはスパークルズに必要な治療とケアを受けさせるために、動物病院に向かいました。「スパークルズは動物病院の暖かさに安心したようで、一日中柔らかいベッドをこねていました。彼女はとても幸せで、満足で、屋内にいられることに感謝しているようでした」と保護施設のスタッフが言いました。
保護施設の支援を受けて、スパークルズは動物病院で数日間療養しました。そして体調が回復すると、養育ボランティアのミシェルさんの家に移りました。
こうして何年も路上を彷徨ったスパークルズは、初めて家の中に足を踏み入れました。スパークルズはまだ新しい環境に慣れていない状態でしたが、ミシェルさんと家族の優しさにとても安心したようでした。
「私達がスパークルズを迎えた時、彼女はとても人懐っこくて、すぐにゴロゴロと喉を鳴らしながら私達にすり寄ってきました」とミシェルさんが言いました。
「最初の日、スパークルズは聞き慣れない物音に怯えて物陰に隠れていましたが、私達のことは信頼していました。」
スパークルズは家の中が安全だと分かると、物陰から出てきてさらに甘えるようになりました。「スパークルズの一番のお気に入りは頭を撫でてもらうことです。彼女は撫でられるとすぐに気持ちが高揚して、嬉しそうにウロウロし始めます。」
スパークルズは家の中でミシェルさんの後を追って、かまってもらえるまで見上げてきます。野外での心配事がなくなった今、スパークルズはとっても甘えん坊になって、愛らしい個性を輝かせているのです。
「スパークルズは寒くて厳しい通りから、暖かくて居心地の良い家に辿り着きました。ステファニーさんの優しさがスパークルズの命を救いました」と保護施設のスタッフが話してくれました。
こうして優しい人達のおかげで、スパークルズは安全な家の中で暮らせるようになりました。スパークルズはこれからも毎日喉を鳴らしながら、たくさんの愛情の中で幸せいっぱいの日々を過ごしていくことでしょう。
This post was published on 2025/02/25