ある日、茶トラの幼い子猫が保護されて、地元の保護施設に運ばれてきました。子猫は体調が非常に悪く、両方の目が感染症で荒れていました。
「保護施設のスタッフ達はすぐに子猫を引き取ると、獣医さんのところに連れて行きました。子猫の両目はひどい状態で、緊急の眼球摘出手術が行われました」と養育ボランティアのジェイミー・マイヤーズさんが言いました。
その後、ジェイミーさんは子猫を自宅に連れて帰って、24時間体制の世話を始めました。ジェイミーさんは子猫がひとりで食べたり飲んだりできなかったため、定期的にシリンジを使って栄養を与え続けました。
ジェイミーさんは一日中子猫に付き添って、子猫の気持ちを安心させました。すると3日が経つ頃には随分と回復して、ひとりでご飯が食べられるようになったのです。
また食欲が増すと同時に元気も出てきて、身の回りのオモチャで遊ぶようになりました。子猫は丸いお腹と無限のエネルギーを手に入れて、他の子猫達の冒険に参加する準備を整えました。
『スティービー』と名付けられた子猫は家にいる他の猫達と遊び始めましたが、その中で一番自分のことを理解してくれる先住猫の『ワッフルズ』に強く惹かれました。
スティービーは自然と家の至るところでワッフルズの後を追って、昼寝をする時はいつもワッフルズに寄り添うようになりました。
またスティービーは成長するにつれて、自分の周りの世界に強く興味を持つようになりました。スティービーはワッフルズの後を追いかけながら新しい領域に足を踏み入れて、嗅覚や触覚などを使って隅々まで調査を行いました。
スティービーが部屋のレイアウトを完全に覚えると、自信を持って部屋の中を動き回るようになりました。またワッフルズからの指導と励ましのおかげで、大きな椅子にも登れるようになりました。
ワッフルズは新しく弟ができたことに幸せを感じていて、いつもスティービーに優しく接しています。またワッフルズは常にスティービーのことを見守りながら、様々な猫のスキルを教えているそうです。
それによって徐々にできることを増やしていったスティービーの次のステップは、階段の登り降りをマスターすることでした。スティービーはどんな困難にも臆することなく、強い気持ちでチャレンジを続けました。
そして無事に階段を登りきったスティービーは頂上で立ち止まって、今度は階段を降りるための計画を立て始めました。スティービーはすぐに降りる方法も理解したようで、階段をスムーズに登ったり降りたりできるようになりました。スティービーは目に障がいを抱えていますが、それによって行動が制限されることはないのです。
どうやらスティービーは階段をとても気に入ったようで、階段の途中で香箱座りをしながら丸くなっていることがよくあるそうです。
そんな中、暖房の放熱口近くの暖かさに心地良さを感じたワッフルズが、スティービーを新しい昼寝場所へと連れていきました。ふたりは早速そこでお互いのことを抱きしめながら、気持ち良さそうにくつろぎ始めました。
ワッフルズの優しさのおかげで、スティービーはいつも自分が愛されていると感じることができています。ワッフルズは毎日スティービーのことを優しく毛づくろいして、スティービーがシッポで遊ぶことも許してあげているそうです。
スティービーはものを見ることができませんが、まるでサッカーをしているかのように、驚くべき精度でピンポン玉をコントロールすることができます。スティービーはピンポン玉を器用に前足の間でドリブルしながら部屋中を走り回っていて、その様子をいつもワッフルズが注意深く見守っているのです。
ジェイミーさんは現在、保護子猫達と自分の赤ちゃんの両方を育てています。スティービーはその驚異的な嗅覚でベビーベッドなどを調査して、ジェイミーさんに育児のお手伝いを申し出ることがよくあります。またスティービーは自ら使用前の新しい椅子をテストしたり、椅子の上を温めたりもしているそうです。
ジェイミーさんは愛らしいスティービーと一緒に暮らしているうちに、完全にスティービーのことを手放せなくなりました。そのためスティービーを正式に家族の一員として迎えることに決めました。
こうしてひどい状態で保護されたスティービーは、優しい人達のおかげで元気を取り戻すことができました。これからもスティービーは安全な家の中でたくさんの愛情を感じながら、ワッフルズやジェイミーさんと一緒に幸せな毎日を送っていくことでしょう。
出典:Stevie The Wonder Kitten/lovemeow
This post was published on 2024/08/14