今から数週間前のこと、保護施設『リベレイション・キャット・ハウス』のスタッフのアシュリーさんが、近所に新しい猫がやって来たことに気づきました。猫はアシュリーさんの家の前の茂みに姿を現すようになりました。
「猫は少し臆病でした。彼の気弱そうな行動は、交通量の多い道路の騒音や、落ち着かない環境に原因があるように思いました」とアシュリーさんが言いました。
「猫は私の方に近づいて来ようとしましたが、大きなトラックが通り過ぎる音に驚いて、茂みの中に走って戻りました。」
猫のことが心配になったアシュリーさんは、地元のコミュニティーに投稿したり、近所の人達に猫のことについて聞いて回ったりしました。また猫にご飯を与え始めましたが、誰も猫を引き取りに来る人はいませんでした。
しばらくの間、内気な猫は遠くの茂みの陰からアシュリーさんのことを見つめていました。猫はアシュリーさんがいつもご飯を用意してくれていることに気づくと、勇気を出して玄関にいたアシュリーさんの元に近づいてきました。
「猫は私のことを認識し始め、挨拶してくるようになりました。そして毎日決まった時間に玄関前に現れるようになりました。」
猫は少しずつアシュリーさんに心を開いていって、身体を撫でさせてくれるようになりました。またアシュリーさんに擦り寄ったり、頭を撫でて欲しいとおねだりするようになりました。猫がとってもフレンドリーだったため、アシュリーさんは猫を保護して、保護施設のスタッフ達と一緒に猫に相応しい家を見つけることに決めました。
「最初の頃、何度か猫を家の中に入れようとしましたが、彼は必ず家の外に走って出て行こうとしました。でもすぐに彼の行動は真逆になりました。彼は玄関の外で『家の中に入れて』と鳴くようになりました。」
そしてある日のこと、猫は玄関のドアが開くとすぐにアシュリーさんの後を追って家の中に入って、決して外に戻ろうとはしませんでした。「猫は屋内で生活することに決めたようでした。」
「猫はまるで自分が家を所有しているかのように、自信たっぷりに家の中を歩き回るようになって、愛情を求めてくるようになりました。また柔らかいベッドで寝られることに大きな喜びを感じているようでした。」
『ハンフリー』と名付けられた猫は、騒がしい路上での生活から離れることができて興奮していました。ハンフリーはアシュリーさんの膝の上で丸くなったり、柔らかいものをこねながら大きな音で喉を鳴らすようになりました。
ハンフリーは身体を隅々まで検査してもらい、去勢手術を受けて、尿路感染症の治療を行いました。「ハンフリーの年齢はおよそ2歳で、信じられないほど気さくで優しい性格の持ち主です。彼は人に会うのが大好きで、特に身体を撫でられると、嬉しそうに鼻を擦りつけてきて、ゴロゴロと喉を鳴らし始めます。」
「ハンフリーはとても素直で、動物病院に行った時も獣医さんの言うことを良く聞いていました。そのため検査が非常にスムーズに進んで、私はとても驚きました。」
またアシュリーさんがハンフリーをイベントに連れて行くと、ハンフリーはたくさんの人達から愛情を注がれました。ハンフリーはみんなの愛情を受け取りながらアシュリーさんの隣で丸くなって、満足そうにくつろいでいたそうです。
「ハンフリーはとても良い子で、ずっと野外で生活してきたにもかかわらず、人間のことを信頼しています。彼が私のところに来てくれたことを本当に嬉しく思っています。」
「ハンフリーはこれから里親さんを探し始めますが、きっといつまでもたくさんの愛情に包まれながら暮らしていくことでしょう。彼は人間の膝の上が大好きで、いつも彼の周りにはたくさんの癒しが溢れています」とアシュリーさんが話してくれました。
こうして車の騒音などに怯えながら路上を彷徨い歩いていたハンフリーは、アシュリーさんのおかげで新しい人生を歩み始めることができました。安全な家の中で暮らし始めたハンフリーは、いつまでも幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:foster.love.repeat/lovemeow
This post was published on 2024/02/15