ある雪の降る寒い日のこと、保護施設『シャトンズ・オルフランズ・モントリオール』でボランティアをしている女性が、家の外に座っている猫の姿を見つけて驚きました。
「猫は窓の外でひとりで丸くなっていました」と保護施設のセリーヌ・クロムさんが言いました。
女性が窓を開けると猫は少し緊張したようでしたが、これ以上厳しい寒さに耐えることができませんでした。「猫は身体を温めるために、ゆっくりと慎重に家の中へと入ってきました。」
猫は周囲の匂いを嗅ぎ回って、床の上に置かれたスリッパを調べ始めました。それからしばらく身の回りの調査をした猫は、たくさんのご飯と暖かい毛布、そして居心地の良い空間を喜んで受け入れました。
外は非常に寒かったため、猫の全身の毛はとても冷たくなっていました。猫の身体は汚れていて匂いがしましたが、猫はやっと辿り着くことのできた暖かい場所にホッとしていました。
「猫の身体にはたくさんの戦いの傷跡があり、厳しい生活を送ってきたことが分かりました。彼には行くところがなく、暖かさと快適な生活を求めて家の中に入ってきました。私達は彼を施設で引き取ることを決めて、『ランスロ』と名付けました。」
その日の夜、ランスロは静かな部屋でお腹をいっぱいに満たして、失われた睡眠時間を取り戻すかのように長く眠り続けました。「ランスロはようやく暖かい場所で眠ることができました。」
ランスロはFIV(猫免疫不全ウイルス感染症)の検査を受けて、去勢手術を行い、胃の問題を解決しました。
その後、ランスロが養育主さんを信頼して、身体を撫でることを許すまでにはそれほど時間はかかりませんでした。ランスロは他の保護猫達と一緒に過ごして安全だと分かると、日に日に魅力的な個性が表に出てきました。
ランスロはとってもハグ好きの猫になって、たくさんの愛情を求めるようになりました。またランスロは周りの人達を追いかけるのが好きになり、部屋のドアが閉まると抗議してきました。さらにランスロは仕事中の人間のそばで過ごすことに楽しみを見つけて、いつも喉のゴロゴロ音で部屋中を癒しの空間にしているそうです。
「ランスロは大きな身体の猫ですが、抱っこを要求する時は小さな声で鳴いてきます。また抱っこされながら部屋から部屋へと移動したり、人間と一緒にベッドに入ってハグをしたりするのが大好きです。」
最初の頃のランスロはオモチャに戸惑って、どう扱っていいのか分からない様子でした。でも時間が経つにつれてオモチャに興味を持つようになり、人間のところに贈り物としてオモチャを持ってくるようになりました。
「ランスロはとっても甘えん坊な猫です。彼は好奇心が旺盛で、家の中で起こっている全てのことを知りたがっています。彼はいつも注意を引こうとしてきて、かまってもらうとすぐに喉を鳴らし始めます。」
またランスロは冒険好きで、よく高い場所に座りながら周囲の状況を観察しています。ランスロは窓辺に置かれたキャットツリーがお気に入りで、いつもそこから窓の外の小さな生き物達を興味深そうに眺めているそうです。
「ランスロは路上で生き残るために戦って、荒れた生活を送ってきました。助けを求めていた彼が最適な家に辿り着けたことは、本当に幸運なことでした。」
ランスロは家猫としての新しい暮らしを愛していて、周りの人達に限りない幸せとたくさんのハグをもたらしています。「ランスロは大きなテディベアで、とっても優しい心の持ち主です」とセリーヌさんが嬉しそうに話してくれました。
こうして暖かい家に辿り着いたランスロは、安全な環境の中で新しい人生を歩み始めることができました。これからもランスロは喉をゴロゴロと鳴らしながら、いつまでも温かいハグに最高の幸せを感じていくことでしょう。
出典:Rescuechatonsmontreal/lovemeow
This post was published on 2024/02/07