ある日、キャンピングカーで旅をしていたクレアさんとデレクさんが、予期せぬ訪問者に出会いました。夫婦が浜辺で夕日を眺めていると、1匹のキジトラ子猫が飛びついてきて、ご飯を要求してきたのです。
「私達が浜辺にキャンピングカーを駐めて10日ほどが経つと、小さな子猫が姿を現しました。周りには他の観光客はおらず、近くには散歩中の地元の男性の姿しかありませんでした」とクレアさんが言いました。
クレアさんは男性に子猫のことについて尋ねました。「男性はこの辺りにあるほとんどの家が別荘で、今は誰も別荘に滞在していないと教えてくれました。そして子猫は誰の猫でもないと言いました。」
その後、近くを通りかかった地元の人にも話を聞いてみましたが、誰も子猫が自分の猫だと言う人はいませんでした。「子猫は浜辺で独りぼっちになっていて、食べ物や避難場所を必要としていることが分かりました。」
子猫はしばらくクレアさんの足で遊んでいました。「私は愛らしい子猫のことがすぐに好きになって、子猫を抱きかかえました。すると子猫は数分も経たないうちに腕の中で眠り始めました。」
その後、誰かが子猫を探しに来るかもしれないと思った夫婦は、一晩様子を見ることにしました。しかし結局子猫のことを迎えに来る人や母猫は現れませんでした。
「私達は子猫と別れることができませんでした。子猫はまだ幼く、食べ物を探すのも大変そうだったため、一緒に旅に連れて行くことに決めました。私達は子猫に『ヴァンゲリス』と名付けました。」
こうして夫婦と共に旅をスタートさせたヴァンゲリスは、車のエンジン音や振動、道路の騒音などを気する様子はありませんでした。ヴァンゲリスは完全に夫婦の心をとりこにして、常に一緒に行動するようになりました。
「ヴァンゲリスはすぐに私達の家族の一員になりました。彼は夫のデレクと遊ぶのが大好きで、夫がパソコン作業をしていると、膝の上に嬉しそうに登ってきます。そして朝になると私を抱きしめることが日課になっています。彼はとても愛情深く、素晴らしい性格の持ち主です。」
ヴァンゲリスは浜辺で出会った多くの人達の心を捉えて、みんなの顔を次々と笑顔にしていきました。
浜辺でヴァンゲリスに気づいた地元の女性も、ヴァンゲリスの愛らしさに夢中になりました。女性は夫婦にキャットフードやオヤツを翌日持ってくることを約束して、自宅へと帰っていきました。しかし、女性はそれから2時間も経たないうちに食べ物を持って戻ってきました。「女性は自宅の庭になっているオレンジと、自宅で飼っているニワトリの卵を持ってきてくれました。」
「このようなことは私達がギリシャを旅している間に何度もありました。私達が旅先で出会った人達はみんな優しい人達ばかりでした。」
ヴァンゲリスも夫婦と一緒に旅を続けることで、ベテランの旅猫になりました。ヴァンゲリスはいつも車の中でぐっすりと眠って、たくさんのご飯を食べているそうです。
ヴァンゲリスは優しい夫婦と一緒にいられることが嬉しくて、新しい人生を心から楽しんでいます。夫婦と一緒に暮らし始めたヴァンゲリスはもう、この先ずっとご飯や避難場所を心配する必要はないのです。
「私達はもうしばらく旅を続けた後、ヴァンゲリスと一緒に自宅に帰る予定です。彼はきっと残りの人性を王様のように生きていくことでしょう」とクレアさんが嬉しそうに話してくれました(*´ω`*)
出典:rocking life on the road/lovemeow
This post was published on 2023/12/01