ある日、アリアンヌさんとジョンさんの愛猫が行方不明になってしまったため、夫婦は家の近所にポスターを貼って情報を求めました。それからしばらくすると、ふたりの元に愛猫に似た猫を見かけたという人から連絡が入りました。
夫婦が目撃情報を元に愛猫を探しに行くと、残念ながら愛猫に会うことはできませんでしたが、全身が非常に汚れた痩せ細った野良猫に出会いました。夫婦はその猫のことを放っておくことができなくて、猫を自宅に連れて帰ってご飯と水を与えました。
すると猫は満腹になるまで一心不乱にご飯を食べ続けました。そしてお腹がいっぱいになると、助けてもらえたことに感謝するかのように、喉を鳴らしながら夫婦に身体を擦りつけ始めました。
翌朝、長い眠りから目覚めた猫は、たくさんのご飯でお腹を満たしました。そんな猫の身体を夫婦が調べてみると、猫が授乳中だと分かって驚きました。
「夫婦は猫が子育てをしている最中だということに気づきました。猫はご飯を食べた後にミルクを出すようになりました」と保護施設『シャトン・オルフラン・モントリオール』のセリーヌ・クロムさんが言いました。
夫婦はすぐに近所の人達に猫のことについて聞いて回って、猫に見覚えがないかを確認しました。
「結局、誰も猫のことを知っている人はいませんでした。猫は胃の病気が原因で痩せ細っていて、路上での大変な暮らしで衰弱していました。彼女がこのまま外で暮らしていたら長くはもたなかったことでしょう。」
夫婦は猫が子猫達の元に案内してくれることを願って、猫を保護した場所へと戻りました。すると猫は夜になると移動し始めて、ある家の庭へと夫婦を導いたのです。
「その時は非常に遅い時間だったため、家の住人は既に眠っていました。そのため夫婦は一度家に帰って、翌朝もう一度同じ場所に戻ってくることにしました。」
そして翌朝、夫婦が家の住人に庭に入る許可を得ると、猫は真っ直ぐに夫婦を小屋の方へと導きました。そして小屋のドアが開くと、猫は躊躇することなく中へと入っていきました。すると物陰から子猫達の声が聞こえてきて、ついに夫婦は子猫達を見つけることができたのです!
「『ヘスティア』と名付けられた猫は、夫婦を4匹の我が子のところへと連れて行きました。幸いなことに子猫達は全員が元気でした。」
その後、夫婦から連絡を受けた保護施設は、5匹の猫の親子を引き取りました。そして養育主さんの家に着いた子猫達は、さっそくヘスティアのところに集まって、夢中になってミルクを飲み始めました。親子はすぐに快適な環境に慣れて、全ての要求に応えてくれる養育主さんのことを信頼するようになりました。
「ヘスティアは念願だったお風呂に入って、胃の病気の治療を受けました。そのおかげで彼女は完全に回復することができました。」
子猫達は4匹全てが男の子で、小屋から保護されて以来、順調に成長しているそうです。
子猫達は成長と共に足の使い方を学び、歩いたり、走ったり、登ったりすることができるようになりました。また育ち盛りで食いしん坊の子猫達は、離乳食にチャレンジし始めました。
一方のヘスティアは安全な室内生活に満足していて、荒れていた毛もすっかり輝きを取り戻しました。
「子猫達はいつも一緒に眠って、一緒に遊んで、一緒に探索をしています。子猫達は小さなトラブルメーカーで、お母さんのことをもみくちゃにしていることがよくあります。子猫達はみんな好奇心が旺盛で、養育主さんが部屋に入ると一斉に駆け寄ってきます。」
「猫の親子全員が救出されたことはとても幸運なことでした。ヘスティアは素晴らしいお母さんで、4匹の子猫達はすくすくと成長しています」とセリーヌさんが話してくれました。
こうして野外で暮らしていた猫の親子は、優しい夫婦のおかげで安全な場所へと辿り着くことができました。夫婦は今も愛猫を探し続けていますが、大切な命が救われたことを知って安心することができたそうです。
出典:Rescuechatonsmontreal/lovemeow
This post was published on 2023/08/22