ある日、保護施設『ハースサイド・キャッツ』に運ばれてきた猫の『ダニー』は、とても悲惨な状態で、顔の側面に重傷を負っていて、多くの健康上の問題を抱えていました。
ダニーは非常に野性的で人間のことを避けていましたが、瞳の奥には愛されたいという気持ちが隠されていました。「ダニーはずっと路上で暮らしてきたため、慣れない環境にとても恐怖を感じていました」と保護施設のアシュリー・アンダーソンさんが言いました。
ダニーの怪我は獣医さん達によって綺麗に洗浄されて、創面切除(壊死した組織の除去)が行われました。その後、アシュリーさんはダニーを家に連れて帰って、落ち着いた環境の中で身体のケアと社会化のためのサポートを始めました。
ダニーは頭の上に屋根があることに安心し、アシュリーさんの優しさに少しずつ気持ちが変化していき、人間と触れ合うことに喜びを感じるようになっていきました。
「最初の頃のダニーは周りで起こる全てのことに怯えていましたが、家の中の環境に慣れて、ここが怖い場所ではないことが分かると180度変わりました。私が彼を初めて抱っこした時は非常に震えていましたが、今の彼はもう何も怖がっていません。」
抗生物質による治療を5週間続けると、ダニーの怪我はほとんど回復し、体重も随分と増えて、耳の感染症もなくなりました。
ダニーは猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)の検査で陽性反応が出ましたが、その回復力で周りの人達を驚かせました。
すっかり元気を取り戻したダニーは、家の中でお気に入りの場所を見つけました。それはアシュリーさんの膝の上で、ダニーはチャンスが訪れるたびに膝の上に登って、丸くなりながら眠りに落ちていきました。
そして保護から数ヶ月の間にダニーは完全に回復し、キスと頭突きが大好きな、とっても甘えん坊な猫へと生まれ変わったのです。
ダニーの顔の毛は元に戻り、いつも個性が輝いています。ダニーは相変わらず膝の上が大好きで、アシュリーさんの膝の上が空いていると必ず飛び乗ってくるそうです。
「ダニーのような年齢を重ねた猫達は見過ごされがちですが、彼らはみんな愛情深く、家族の元にたくさんの幸せを届けてくれます。私達は彼らが生涯の家で2度目のチャンスを得られるように、これからも彼らの素晴らしさを伝えていこうと思います。」
今のダニーは室内生活を心から楽しんでいて、保護先で出会った猫の仲間と幸せな時間を過ごしています。ダニーはすっかり人間好きの猫になり、生涯の家に行く準備を整えることができたのです。
「私達はダニーが肉体的にも精神的にも回復できたことに心から喜びを感じています。彼はこれから生涯の家族に出会い、いつまでも幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう」とアシュリーさんが嬉しそうに話してくれました。
出典:hearthsidecatsinc/lovemeow
This post was published on 2023/06/17