今から2年半ほど前のこと、近所を彷徨い歩いていた猫の姿を発見した家族が、猫を路上から助け出すための計画を立てました。
その後、家族が猫の世話を続けていると、猫は少しずつ家族に近づいてくるようになり、ついに身体を撫でさせてくれるようになりました。家族はそんな猫のためにシェルターを建てて、毎日ご飯を用意しました。
そして家族が完全に猫の信頼を得たと思った時、猫が突然姿を消してしまったのです。
それからしばらくして猫は再び家族の元に戻ってきましたが、猫の全身は非常に荒れていて、片足を引きずりながら歩いていました。さらに猫は誰も自分のそばに近づかせようとはしませんでした。
そんな猫の姿を見た家族は捕獲器で猫を保護することに決めて、地元の保護施設『シャトン・オルフラン・モントリオール』に助けを求めました。
「家族は猫を保護すると、動物病院で治療を受けさせました。私達は猫を引き取ると、『ブリオール』と名付けました」と保護施設のセリーヌ・クロムさんが言いました。
「ブリオールはマイクロチップを持っていませんでした。彼はまるで戦いを諦めたかのように、とても疲れ果てているように見えました。また彼の後ろ足には咬み傷と膿瘍(のうよう。組織のなかに膿がたまった状態)ができていて、治療を続ける必要がありました。」
保護施設のスタッフ達は絡まった毛を取り除き、可能な限りブリオールの身体を綺麗にしました。
長い一日を終えたブリオールは、身体を回復させるためにケージの中で過ごし始めました。ブリオールは非常に戸惑っていたため、ずっとトイレの中で身を隠していたそうです。
その後、ブリオールは養育主さんの家へと移動して、そこで身体を回復させるためのケアを続けました。それから数日の間にブリオールはゆっくりと自分の殻から出てきました。
そして再び人間のことを信頼し始めたブリオールは、自然と喉を鳴らすようになったのです。
養育主さんのおかげで友好的で優しい性格が戻ってきたブリオールは、養育主さんの後をついて回るようになり、常に人間のそばにいるようになりました。
「ブリオールの足は順調に回復し、全身の毛は完全に元に戻りました。彼は毎晩寝る時間になると養育主さんのことを誘ってくるようになりました。」
ブリオールは養育主さんの家で数匹の保護子猫達と仲良くなり、猫のスキルを子猫達に教え始めました。
またブリオールはハグ好きの猫へと開花し、何か言いたいことがある時は躊躇することなく話しかけてきました。「養育主さんとブリオールはいつも完璧な会話をしています。」
ブリオールが暮らしている家にはたくさんの猫用のベッドが用意されていましたが、ブリオールはいつも膝の上で寝るか、人間用のベッドで養育主さんと一緒に眠っているそうです。
「ブリオールはすっかり家猫生活に慣れて、新しい人生を心から楽しんでいます。養育主さんはそんな彼のことを手放すことができなくなり、正式に家族の一員として迎え入れました」とセリーヌさんが話してくれました。
こうしてあの日、路上での生活に別れを告げたブリオールは、すっかり家の中の王様になりました。
今のブリオールには好きな時に会話ができる家族がいて、毎日に幸せを感じながら楽しい時間を過ごしています。これからもブリオールは大好きな家族にたくさん甘えながら、いつまでも何不自由ない生活を送っていくことでしょう(*´ω`*)
出典:Rescuechatonsmontreal/lovemeow
This post was published on 2023/04/05