今から1年ほど前のこと、雪の中を彷徨い歩く1匹の猫が見つかり、保護施設に運ばれてきました。猫はマイクロチップを持っておらず、誰も猫のことを引き取りにくる人はいませんでした。
猫は栄養失調に陥っていて、非常に痩せ細り、多くの健康上の問題を抱えていました。猫の推定年齢は10歳で、長い間、冬の寒さや悪天候の中を生き抜いてきたのは明らかでした。
そんな猫の窮状を知った保護施設『シャトン・オルフラン・モントリオール』は、猫を助けるために行動を起こしました。
保護施設のスタッフは車を2時間走らせて猫を迎えに行きました。「私達は猫に『パドミー』と名付けました。彼女は非常に痩せ細っていて、体重が僅か2.5kgほどしかありませんでした」と保護施設のセリーヌ・クロムさんが言いました。
最初の頃のパドミーは新しい環境を警戒していましたが、自分が安全だと分かると、次第に自分の殻の中から出てきました。
さらに快適な環境と暖かい毛布がパドミーのことを安心させました。パドミーはとてもお腹が空いていたため、一心不乱にお皿の中のご飯を食べ尽くしました。
その後、パドミーが家の中の環境に落ち着くと、本来持っていた好奇心が現れ始めました。パドミーは興味の赴くままに身の回りの探索を行い、養育主さんに身体を擦りつけながら感謝の気持ちを伝えてきました。
獣医さんはパドミーの鼻やお腹の周りにできていた腫瘍を取り除きました。またパドミーは糖尿病と診断されたため、すぐに治療を開始しました。
「パドミーは養育主さんの家で病気の治療を行いながら、毎日を楽しそうに過ごしています。彼女はとても甘えん坊になり、いつも養育主さんのそばで昼寝をして、目が覚めるとすぐに養育主さんの気を引くようになりました。」
養育主さんはパドミーのアヒルのような鳴き声が好きで、毎朝その声で起こされることに幸せを感じているそうです。
そんな養育主さんの元で治療を続けたパドミーは、無事に胃の問題を解決することができたため、毎回満足そうにご飯を食べているそうです。「パドミーがここまで来るのは簡単なことではありませんでしたが、強い意志で前進し続けました。彼女は保護から2ヶ月で、様々な病気を克服することができました。」
「パドミーは人間との温かい生活が大好きで、いつもハグを楽しんでいます。彼女はまるで赤ちゃんのように抱っこされるのが好きです。」
パドミーはいつも養育主さんや家族とソファーを共有していて、家族のそばで昼寝をしたり、一緒にテレビを見たりしているそうです。
「パドミーは身体を撫でられるとすぐに喉を鳴らし始めます。彼女はとても好奇心が旺盛で、いつも家族が何をしているのかを知りたがっています。また彼女は常に家族と一緒の部屋にいたいと主張してきます。」
パドミーは毎朝太陽が昇ってくると窓辺のバスケットに飛び乗って、暖かい日差しを全身で浴び始めます。そしてソファーでくつろぐ家族の膝が空いていることに気づくと、ためらうことなく膝の上に乗って、幸せそうに甘え始めるそうです。
そして、パドミーが保護されてから1年ほどが経ちました。パドミーは今も養育主さんの家で元気に過ごしていて、生涯の家族に出会える日を静かに待っているそうです。
「パドミーは寒さの中をひとりで生き延びてきました。私達は彼女を助けることができたことを非常に嬉しく思っています。彼女はとても優しく、愛情深く、室内で過ごせることに大きな幸せを感じています」とセリーヌさんが話してくれました。
パドミーはこれからもたくさんの愛情を感じながら、いつまでも安全な家の中で幸せな毎日を送っていくことでしょう。
出典:Rescuechatonsmontreal/lovemeow
This post was published on 2023/03/16