ある日、保護活動をしているソフィーさんが、路上を彷徨い歩いている猫の救出に向かいました。そしてソフィーさんが捕獲器を設置すると、猫が中へと入ってきました。ソフィーさんはすぐに猫のお腹が大きくなっていることに気づき、妊娠しているのではないかと感じました。

どうやら猫は既に路上での生活に別れを告げる準備ができていたようで、自らキャリーの中へと飛び込んできました。そして猫は柔らかいベッドとたくさんのご飯がある家の中で落ち着き始めました。

それから2日後、ソフィーさんは養育部屋の中で3匹の子猫の姿を見つけて驚きました。

出産から数日間、母猫はお母さんになる方法が分からなくて混乱していました。その話を聞いた保護施設『シャトン・オルフラン・モントリオール』の養育ボランティアが助けに乗り出しました。

出典：comrescuemontreal

その日の夜、4匹の親子が養育主さんの家にやって来ると、子猫達はすぐにミルクを飲んで栄養を補いました。

「養育主さんは子猫達がしっかりと成長できるように、哺乳瓶でミルクを飲ませ始めました。それから24時間体制でミルクを与え続けると、次第に子猫達の体重が増え始めました」と保護施設のスタッフが言いました。

それから数日が経つと、ついに母猫の母性本能が目を覚まして、自ら子育てをするようになり、子猫達の全ての要求に応えるようになりました。

子猫達は優しい養育主さんの助けを借りながら、日に日に成長していきました。そして『ティキータ』と名付けられた母猫は、子猫達が安全な場所で過ごせていることに気づくと、人間のことを完全に信頼するようになったのです。

子猫達は愛情いっぱいの家の中で確実に成長を続け、様々なことが出来るようになっていきました。さらに成長と共に子猫達の個性が輝き始めました。

しばらくすると子猫達はティキータの真似をしながら、お皿からご飯を食べる方法を学びました。また子猫達が足の使い方を理解すると、愛らし足取りで歩き回るようになりました。

「『クーキー』『スムーティー』『トゥーピー』と名付けられた子猫達は好奇心が旺盛で、人間や他の猫と一緒にいることを楽しんでいます。とっても甘えん坊の子猫達は、いつも私達の近くで注意を引こうとしてきます。」

また子猫達は毎日一緒に窓辺に座って、バードウォッチングを楽しんでいるそうです。

ティキータはすっかり家の中の生活に慣れて、生涯の家を見つける準備を整えました。ティキータは少しずつ子猫達から距離を取るようになり、ひとりの時間を楽しむようになりました。

「ティキータは鳩のように鳴くことがよくあります。彼女は人間と過ごす時間が好きになり、いつも養育主さんを探しながら可愛い声で鳴いています。」

ティキータが人間と会話をしていない時は、窓の外を見ながら近所の家の様子をうかがったりしています。またティキータは羽のオモチャが気に入ったようで、まるで子猫のように飛び跳ねて、オモチャを楽しそうに追いかけ回しているそうです。

「ティキータはまだ初めて会う人には少し緊張しますが、すぐに慣れて喉を鳴らし始めて、嬉しそうに抱っこを要求してきます」と保護施設のスタッフが話してくれました。

一方、ティキータが大切に育てた3匹の子猫達は、毎日すくすくと成長を続けていて、愛らしい個性を輝かせているそうです。

こうして出産の直前にキャリーに飛び込んだティキータは、安全な家の中で全ての愛情を子猫達に注ぐことができました。ティキータや子猫達はこれから新しい里親さんの元へと旅立って行きますが、いつまでも快適な家の中で幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう(*´ω｀*)
出典：comrescuemontreal／lovemeow