昨年末のある夜のこと、カナダのモントリオールに住むステフさんとフランシスさんが、近所の家のバルコニーの下からこちらをじっと見つめる2組の光る目に気づきました。気になった二人が近づいて行くと、バルコニーの下に2匹の子猫の姿を見つけ、その奥には母猫と3匹目の子猫が寄り添い合っていました。母猫はほとんど人間と接したことがなかったようで、二人のことをとても怖がっていました。
その後、ステフさんが猫の親子の前にご飯を置くと、すぐに子猫達が集まってきて勢いよく食べ始めました。一方の母猫は強く警戒していてご飯に近づこうとしませんでしたが、空腹には勝てなかったようで、最後は警戒しながらもご飯のところにやって来ました。
その後、子猫のひとりが道路に出てきたため、ステフさんは急いで子猫を保護しました。二人は猫の親子全員を保護しようとしましたが、残念ながら再びバルコニーの下に戻ってしまったため、保護活動を翌日に再開することに決めました。
そして翌朝、ステフさんが捕獲器を設置すると、1時間ほどで母猫が入ってきました。さらにステフさんは2匹の子猫を捕まえて、4匹を一緒に地元の保護施設『シャトン・オルフラン・モントリオール』へと連れて行きました。
「私達は母猫に『マディソン』と名づけました。彼女はとても怖がっていて、常に物陰に隠れようとしていました。彼女は子猫達と一緒に養育ボランティアのサジャさんとシャーロットさんの家に行きました」と保護施設のセリーヌ・クロムさんが言いました。
それからしばらくの間、マディソンは壁とベッドの隙間に身を隠し、表に出ようとしませんでした。その後、子猫達が室内生活に順応しても、マディソンだけは人間のことを警戒して、身を隠し続けていました。
サジャさんとシャーロットさんは毎日マディソンに話し掛けて、頭を優しく撫でようとしました。そんな二人の気持ちが伝わったのか、マディソンは徐々に警戒心を解いていき、威嚇音も収まっていきました。
二人はマディソンに時間を与えて、マディソンが自ら殻を破る日を待ちました。そしてついにマディソンは物陰から姿を現し、猫用のベッドへと引っ越したのです。それは人間を怖がっていたマディソンにとって、非常に大きな一歩でした。
一方の子猫達は順調に成長を続け、里子に出るために保護施設へと戻っていきました。こうして子育てを終えたマディソンは、少しずつ人間と過ごす時間を増やしていきました。
その後、別の養育ボランティアのボテイナさんがマディソンを預かり、社会化のためのサポートを引き継ぎました。マディソンは既に人間のことを信頼することに決めていたようで、確実に自分の殻から出てきました。
「マディソンはまだ恥ずかしがり屋ですが、身の回りのことに興味を持つようになりました。彼女はさらに室内生活に心地良さを感じ、シッポを高く上げるようになり、様々な場所に顔を擦りつけるようになりました。」
マディソンは安全で静かな環境を楽しんでいて、人間と過ごせることに喜びを感じるようになりました。「マディソンは随分と人間に近づくようになり、人間の近くで昼寝もするようになりました。」
マディソンは室内での生活に自信を持てるようになり、何か要求がある時は話しかけてくるようになったのです。
「マディソンはまだ新しい隠れ家を見つけようとしている時もありますが、オヤツには抵抗することができないようです。彼女はソファーの快適さに気づき、窓辺から外の景色を眺める楽しさを発見しました。」
そして、マディソンが保護されてから半年近くが経ちました。最初の頃とは随分と変わったマディソンは、ついに生涯の家を見つける準備を整えたのです。
「新しい人がマディソンの信頼を得るまでには少し時間がかかりますが、彼女が一度信頼した人には、とっても甘えん坊な姿を見せます。きっと彼女は新しい里親さんにも愛情いっぱいに寄り添って、嬉しそうに頭をぶつけることでしょう。」
「マディソンは既に人間の優しさに気づいていて、幸せを感じると喉のゴロゴロが止まらなくなります。きっと愛らしい彼女の前には素敵な里親さんが現れることでしょう」とセリーヌさんが話してくれました。
こうしてバルコニーの下から保護されたマディソンは、安全な家の中で新しい生活を始めることができました。きっとマディソンはこれから出会う里親さんにも心を開き、いつまでも幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう(*´ω`*)
出典:Rescuechatonsmontreal/lovemeow
This post was published on 2022/05/13