ある日、養育ボランティアをしているアビー・メルツァーさんの元に、保護施設に運ばれてきた子猫達についての連絡が入りました。子猫達は生後僅か数日で、養育主さんの助けを必要としていました。
「私は連絡をもらってすぐに保護施設へと向かいました。そして子猫達の姿を一目見て、ふたりが不思議な動きをしていることに気づきました。ふたりは前足をほとんど動かさずに、後ろ足だけを動かしていました」とアビーさんが言いました。
子猫達はそれぞれ『ポキ(三毛猫)』と『アパ(キジトラ猫)』と名づけられました。
ポキはすぐに哺乳瓶からミルクを飲み始めましたが、アパは哺乳瓶からミルクを飲むことができなかったため、アビーさんはチューブで栄養を与え始めました。
アパは非常に小さな身体をしていましたが、とても勇敢な性格で、すぐにベッドの外に探索に出かけようとし始めました。
子猫達はその後もアビーさんのおかげで常にお腹を膨らませることができ、日に日に力強くなっていきました。
そんな順調に成長を続ける子猫達ですが、お互いに前足の可動域が狭く、前足を上手に使うことができませんでした。しかし子猫達は好奇心が旺盛で、身の回りの探索をする決心をしていました。子猫達は胴体と後ろ足を上手く使いながら前進し、保育器の中を一生懸命に動き回っていました。
「私は1日5回、ふたりに理学療法を行いました。すると約1週間半でふたりとも前足を随分と使えるようになりました。ふたりは確実に機動性を改善させてきていますが、同い年の子猫達よりも身体の震えが大きいことが分かりました。」
子猫達の動きは不安定でしたが、それがふたりの行動を止めることはありませんでした。
「毎食後、私はふたりを保育器の外で約10分間歩かせながら、手足のストレッチを行いました。」
そして3週齢になった子猫達はついに保育器を卒業し、ベビーサークルの中で心ゆくまで遊ぶことができるようになったのです。子猫達はお互いに身体がグラグラしていますが、本人達はそのことを全く気にしていませんでした。
子猫達はいつも楽しそうに走り回ったり、プロレスごっこをしたりしながら、広い空間で遊べることにとても興奮していました。
「ふたりはまだ動きが不安定ですが、私達はこれからも前足のストレッチを続け、遊びなどを通して前足を鍛えていこうと思います。」
「ふたりは生まれた時から障がいを抱えていて、どちらもフラットチェスト子猫症候群の兆候を示しています。ふたりは胸部が圧迫されていて、体重減少や呼吸器系などの問題が起こりやすくなっています。」
アパは生活の質に影響を与えないほどの軽度な症状ですが、ポキは症状がより重く、今後獣医さん達による専門的なケアを受ける予定になっています。
現在、6週齢になった子猫達は、お互いにとても勇敢でいつも一緒に遊び回っています。ポキは高い場所にも上手に登れるようになり、いつもアビーさん達を驚かせているそうです。
子猫達は常に近くで過ごしていて、お互いのことを温め合ったり、励まし合ったりしながら、安全な家の中で幸せそうな姿をたくさん見せてくれているそうです。
これからも子猫達は優しいアビーさんの元ですくすくと成長を続け、みんなの力を借りながら幸せな未来に向かって歩み続けていくことでしょう。
出典:catsandfrittatas/lovemeow
This post was published on 2022/02/11