ある日、子猫の兄弟が新しい人生を始めるために養育主さんの家へとやって来ました。子猫達はお互いに障がいがあり、生まれた時から前足が曲がっていました。
子猫達は障がいのため、誰も家族に迎えようとする人は現れませんでした。そんな子猫達の話を聞いた女性は、子猫達が保健所に連れて行かれる前に自宅で預かることを申し出ました。
そして子猫達が新しい人生を始められるように、facebookでいくつかの保護団体に助けを求めました。するとすぐに保護団体『ライフ・フォー・レスキューネットワーク』のジャクリーン・デアモールさんから返信があったのです。
その後、ジャクリーンさんから連絡を受けた養育主のメル・ランプレーさんが、子猫を引き取るために女性の元へと向かいました。子猫達はとても人間を怖がっていたため、常に寄り添いながら、お互いのことを守っていたそうです。
「子猫達は人間の優しさを感じたことがなかったため、人間のことを非常に恐れていました」とジャクリーンさんは言いました。
ジャクリーンさんは子猫達に『タンパー』と『フラワー』と名づけました。子猫達はお互いに橈骨(とうこつ)形成不全という先天性の疾患で生まれたことが分かりました。
子猫達は非常に人間を恐れていましたが、メルさんは子猫達が愛されたいと思っていることに気づきました。
特にタンパーの方は元々社交的な性格だったようで、次第にメルさんの愛情を受け入れるようになり、ゆっくりと自分の殻から出てきました。一方のフラワーはずっと物陰に隠れていましたが、メルさんが用意したオモチャのおかげで、徐々に物陰から姿を現すようになったそうです。
子猫達は日が経つにつれて、メルさんが近づくのを許すようになっていきました。
子猫達は最初から非常に強い絆で結ばれていて、完全に切り離すことのできない存在でした。
「子猫達は常に依存し合っていて、快適さと愛情を求めて、いつも一緒の時間に過ごしています。もし、どちらかの姿が見えなくなると、すぐにもう一方が辺りを探し始めます。」
タンパーが部屋の中で遊ぶようになった時も、フラワーがその後に続きました。すると子猫達はさらに快適に過ごすようになり、メルさんに撫でられることを受け入れるようになっていったのです。
この数週間で子猫達はさらに進歩を遂げました。子猫達はもう部屋の隅を逃げ回ることがなくなり、隠れる場所を探さなくなりました。そして自然と子猫達に自信が溢れてきて、部屋の中を楽しそうに動き回るようになったのです。
子猫達は前足に障がいがあるため、メルさんは子猫達の後ろ足の力を向上させる努力をしてきました。メルさんはオモチャなどで子猫達と遊び、足腰を上手に使えるようにしたのです。
「子猫達は運動を繰り返すことで、次第に後ろ足が強くなっていきました。そのため子猫達は立ち上がれるようになり、後ろ足で上手にバランスを取れるようになりました。」
「子猫達は硬い床を歩くのに苦労していたため、部屋の床に特別なマットを敷きました。これで子猫達はグリップしやすくなり、動きやすくなりました。」
「子猫達は現在も毎日変化を続けていて、人間との信頼関係をさらに深めていっています。子猫達がもう少し成長したら、2匹を一緒に引き取ってくれる、優しい里親さんを探そうと考えています」とジャクリーンさんは話してくれました。
現在の子猫達は人間に撫でられることが大好きで、いつもオモチャで楽しそうに遊んでいます。また子猫達は相変わらずそばに寄り添いながら、常に愛情を注ぎ合っているそうです。
こうして保護された子猫達は人間の愛情を受け入れ、新しい人生をスタートさせることができました。メルさん達のおかげですっかり人間好きになった子猫達は、これからもお互いに寄り添いながら、幸せな毎日を送っていくことでしょう。
出典:Friends for Life RescueNetwork/lovemeow
This post was published on 2019/03/06