今から4年前のこと、黒猫子猫の『ブラック』を近くに住む家族が見つけました。
ブラックは野良の母親に育てられていましたが、ある日突然、母親が姿を消してしまいました。可哀想に思った家族は、ブラックを保護することに決めました。
「私達はブラックを建物の角に追い詰め、ご飯で誘い出そうとしました。しかし、私達がさらに近づくと、彼は物凄い速さで逃げてしまいました」と家族は言いました。
「私達はそれから毎日、ブラックの近くに食べ物を置きました。容器を回収する度に食べ物の量が減っていたため、彼はしっかりと食べているようでした。そして10日目になると、私達への警戒心が薄れてきたようで、家のポストの上に姿を現したのです。私達が再び保護を試みると、彼はほとんど抵抗することなく手の中に収まりました。」
家族が自宅で世話を始めると、ブラックはみるみるうちに元気になっていきました。そして、家族と一緒にいることに幸せを感じるようになっていったのです。
その後、家族はブラックに先住猫の『チロル』を紹介しました。
ふたりはすぐに結ばれました。ブラックはチロルが大好きになり、いつも後をついて回るようになりました。そして、チロルに抱きしめられると、幸せそうに喉を鳴らし始めたのです。
深い絆で結ばれたふたりは、片時も離れなくなりました。ブラックは大好きなチロルに見守られながら、すくすくと成長していったのです。
しかし、悲しいことにチロルは病気のため、この世を去りました。そして、ブラックは再び独りになってしまったのです。大好きなチロルを亡くしたブラックは、窓辺で外を見ながらひとりで過ごすことが多くなりました。
家族はブラックに何かが欠けていることを知っていました。
そんなある日のこと、迷子の子猫が新しい家族になりました。
「私は妹と買い物に出かけ、夜遅くに帰ってきました。すると自宅近くでニャーニャーという鳴き声を聞きました。私が声のする方に近づいて行くと、1匹の子猫が駆け寄って来ました。子猫はずっと外で暮らしていたようで、全身がノミとダニに覆われていました。」
家族は愛らしい子猫の姿に、一瞬で恋に落ちました。すぐに子猫を自宅に連れて帰り、『エコー』と名づけて正式に家族に迎えたのです。
家族は初め、ブラックがエコーにどのような反応を示すか心配でした。しかし、ブラックはエコーと一緒に食事をすると、自分のベッドにエコーを連れて行き、優しく毛づくろいを始めました。
「ふたりはすぐに信頼関係を築きました。そして、ふたりは最高の家族になりました。」
「ブラックはエコーに毛づくろいをして、生きるために必要なことを教えました。それはまるでブラックがチロルにしてもらったことを、そのままエコーに返しているようでした。」
「ふたりはいつも同じ時間を過ごしています。そのためどちらかの姿が見えなくなると、もう一方が後を追って、同じ場所でくつろぎ始めます。」
ふたりはもうお互いにかけがえのない存在なのです。
こうしてチロルに育てられたブラックは、その時に受け取った愛情を、今度はエコーに注ぎ始めました。きっとブラックに育てられたエコーも、チロルやブラックと同じように、愛情いっぱいの猫に成長していくことでしょう(*´ェ`*)
出典:monopticon/lovemeow
This post was published on 2019/01/27