ある日、シリアのアレッポで猫の保護活動を行っているムハンマドさんのところに、母親のいない野良の子猫『ジュニア』が運ばれて来ました。
ムハンマドさんはこれまでに、シリアの内戦で行き場を失った多くの猫達に、避難場所を提供してきました。
ムハンマドさんはジュニアと出会う前に、『アミラ』という名前の野良犬を保護していました。その時のアミラのお腹には、新しい命が宿っていたそうです。
ムハンマドさんの家には既に80匹の猫が暮らしていたため、アミラのために自宅の横に犬小屋を建てました。
そして2週間前のこと、アミラはついに出産の準備を始めました。しかし悲しいことに、3匹の子犬達は全て死産だったのです。それはアミラの心を壊しました。
「私達はアミラの姿に強いショックを受けました。彼女がずっと悲しみに暮れていたため、少しでも元気になれるようにと、犬のヌイグルミをプレゼントしました」とムハンマドさんと一緒に保護活動を行なっているアレッサンドラさんは言いました。
そんな中、保護されたジュニアがムハンマドさんのところへとやって来ました。
新しい家に着いたジュニアは、ゆっくりとアミラの方へと近づいて行きました。そしてアミラの身体に登って、顔を擦りつけ始めたのです。
その瞬間から全てのことが変わり始めました。
数日後、アミラはもうヌイグルミを持っていませんでした。代わりにジュニアを背中に乗せて、一緒に遊んでいたのです。さらにアミラは我が子を世話するかのように、全ての愛情をジュニアに注いでいました。
「私達はふたりが一緒に遊んでいる姿を見つけました。アミラはすっかり元気を取り戻していて、嬉しそうに笑っているように見えました。」
驚くほど仲良くなったふたりは、全てのことを一緒にするようになりました。もちろんご飯の時間も、ふたりが離れることはありません。ふたりは完全に親子になったのです。
その愛らしい姿に、ムハンマドさん達はとても幸せな気持ちに包まれました。
「もしかするとジュニアはアミラを悲しみから救うために、ここにやって来たのかもしれません。ふたりを引き離すことは、もう誰にもできません。」
ふたりは今、常にお互いのことを抱きしめ合っています。アミラはジュニアのことをとても大切に想っていて、ジュニアがアミラを必要とするくらいに、アミラはジュニアのことを必要としているのです。
こうしてアミラとジュニアは辛い時期を乗り越えて、親子の強い絆で結ばれました。ふたりはお互いにたくさんの愛情を注ぎ合いながら、幸せな毎日を過ごしているのです(*´ェ`*)
出典:TheAleppoCatMan/lovemeow
This post was published on 2018/05/21