ある日、何ヶ月間も所有者がいなかった家にクリス・プールさんと、動物の保護活動を行なっている姉妹のメクレ・パケットさんとダイアナ・ハリスさんが入りました。そして、そこで見たものに衝撃を受けました。何とそこには40匹以上の猫が置き去りにされていて、中にはかろうじて息をしているほどの子猫もいたのです。
クリスさん達は全ての猫を保護すると、一番身体の弱っていた子猫を獣医さんのところへと連れて行きました。
「私達が最も近い動物病院に子猫を連れて行くと、獣医さんは安楽死を勧めてきました。しかし、私達はそれを受け入れることができませんでした」とクリスさんは言いました。
子猫はひどい栄養失調でノミに覆われていました。また、子猫の首には咬み傷があり、出血で貧血の状態に陥っていたのです。しかし、そんな状況にも関わらず、子猫は戦うことを決してやめませんでした。
クリスさん達がご飯を用意すると、子猫はそれを覆い被さるようにして食べ始めました。子猫は自分が生きるために、必死にご飯を守っていたのです。
その後、子猫を何度かお風呂に入れて、全てのノミを駆除しました。すると子猫は随分気分が良くなったようで、安心した表情を見せてくれたのです。
クリスさん達はそんな子猫に『プリンセス』と名づけました。
クリスさんはプリンセスを自宅に連れて帰り、一日中世話を続けました。すると僅か数日でプリンセスに食欲が戻り、大きな声で鳴き始めたのです。
クリスさんはプリンセスの咬み傷を治療するため、抗生物質を与えました。その後、獣医さんがプリンセスを預かり、首の上にできた膿瘍(のうよう)の治療を行なったそうです。
その後も幼いプリンセスはより大きく、強くなるために戦い続けました。その間もプリンセスは、クリスさんに自分の人生がどれだけ好きかを伝えてきたそうです。
元気を取り戻したプリンセスの姿はこちら。
5ヶ月後、クリスさんは新しい家に旅立ったプリンセスを訪ねました。そして、プリンセスが大きく変わっていたことに驚きました。ひどくやせ細っていたプリンセスは、素敵なお姫様に生まれ変わっていたのです。
現在のプリンセスはとても健康で、イタズラ好きで、エネルギーに満ち溢れています!
プリンセスは久しぶりに会ったクリスさんに近づいてきて、「私を見放さないでくれて、本当にありがとう」と言っているかのように、クリスさんの手に鼻を押し当ててきました。
「この子は生き残るために、強い意志を持っていました。彼女が自分の命を諦めなかったので、私達は彼女の命を決して諦めませんでした。私は彼女の大きな変化に、心から幸せを感じています。」
こうして自分の運命と戦ったプリンセスは、クリスさん達の愛情で、ついに幸せを掴むことができました。きっとプリンセスはこの先もずっと、クリスさん達の優しさを決して忘れることはないでしょう。
This post was published on 2018/01/02