ある日、アンジェラさんが勤める動物病院に、傷ついた母猫と子猫達が運ばれてきました。親子は、ダンボール箱で捨てられているところを発見されたそうです。アンジェラさん達はすぐに猫達の治療を始めました。
その後、アンジェラさんは保護された子猫の中の一匹に惹かれ、家に連れて帰りました。すると、自閉症を患う息子のオースティン君とすぐに意気投合したのです。
アンジェラさん一家は、子猫に『オータム』と名づけ、家族に迎えることにしました。
オータムとオースティン君はすぐに兄弟になりました。
オースティン君がいるところに、いつもオータムがいます。どうやらオータムには、オースティン君の心を落ち着かせる力があるようです。そのため、自閉症のオースティン君にとって、オータムはとても大きな存在になっていたのです。
しかし、ある日オータムが行方不明に…
その日の夜。アンジェラさんはいつもの場所にいないオータムに気がつきました。しかし、その時はどこかへ隠れているのだろうと思い、探すことはしなかったのです。しかし、翌朝になってもオータムの姿はどこにもありませんでした。
アンジェラさんは2日間、家の周りを探したり、近所の人や知人に聞いて回りましたが、結局見つけることはできませんでした。
オータムを失ったオースティン君の変化は想像以上でした。数日間泣き続け、夜中に眠れずに大声で叫んだりしました。そして、身体を壊し、病気になってしまったのです。そのため、オータムがいなくなってから1週間、オースティン君は学校を休みました。
アンジェラさんは絶望的な気持ちになりました。そして、オースティン君の自閉症が悪化することがとても心配でした。
アンジェラさん達はチラシを作り、家の近くのお店に置いてもらえるようにお願いして回りました。そして、オータムがまだ家の近くに潜んでいるかもしれないと思い、日曜日の夜にガレージにボウルを置いて、その上にオータムが愛用している毛布を掛けておいたのです。
そして翌日。
なんとオースティン君が学校に行っている時間に、ガレージから聞き慣れた鳴き声が聞こえて来たのです! すぐに家を飛び出したアンジェラさんは、自分の毛布にうずくまるオータムを発見したのです!
オータムを無事に保護したアンジェラさんは、オースティン君に早く会わせたいという気持ちで、居ても立ってもいられなくなりました。オースティン君の帰宅が待てなかったアンジェラさんは、オータムを連れて車で学校へと向かったのです。
そして、再会の瞬間はやってきました。
車内でオータムを抱きしめるオースティン君。その姿から、どれだけ会いたかったかが伝わってきますね。
オースティン君はオータムに再会できて最高に幸せです。今ではオータムがちゃんと家の中にいるかを、いつもチェックするようになったそうです。
もはやオースティン君と切り離すことのできないオータム。ふたりの間には、兄弟以上の深い絆が存在しているように思います。オースティン君はこれからどんどん大きくなりますが、いつも隣にいて、成長を見守り続けていって欲しいですね。
出典:ANGELA DAVIS
This post was published on 2016/05/27