昨年の夏、建物の2階の窓にしがみついて動けなくなっているキジトラ猫が発見されました。
猫は厳しい暑さに耐えた後、容赦ない豪雨に見舞われました。そんな猫の窮状を知った保護団体『パピー・キティー・NYシティー』のスタッフ達はすぐに行動を起こしました。「猫は動けなくなっていて、独りぼっちで、怯えきっていて、行く当てもありませんでした」と保護団体のスタッフが言いました。
当時、市の動物保護施設が受け入れを停止していたため、この猫のように多くの動物達が行き場を失っていました。
毎日新たな困難が待ち受ける中、スタッフ達はこの猫を安全な場所に連れて行くことを心に誓いました。
スタッフ達の要請で消防隊が救助活動を支援するために現場に到着しました。消防隊員達ははしごを使って猫を慎重に誘導し、スタッフ達は下で猫を捕まえるための準備をしていました。そんな消防隊員達とスタッフ達の連携のおかげで、猫は無事にキャリーに入れられて、新しい生活をスタートさせることができたのです。
長い苦難を乗り越えた猫は『フィドラー』と名付けられました。フィドラーは疲れ果てていて、キャリーの後ろに身を隠しながら、全ての人達を遠ざけようとしていました。
スタッフ達はすぐにフィドラーの毛が長いことに気づきましたが、雨風にさらされたことによって、その特徴が隠されていました。フィドラーがどうして2階の窓の外に取り残されていたのかは誰にも分かりませんが、フィドラーはついに安全な場所に辿り着いて、食料や水、そして手厚いケアを受けることができたのです。
数日間の休憩と獣医さんの診察の後、フィドラーは必要な医療ケアを受けました。フィドラーは空腹と厳しい自然環境から解放されたことで、徐々に目が穏やかになっていって、体の緊張も次第に和らいでいきました。
スタッフ達はフィドラーが人間を信用できるようにするために、居心地の良い空間を作りました。すると少しずつフィドラーの気持ちが変わっていって、訪問者への警戒心が薄れていきました。そしてある日、ベッドで丸くなって寝ていたフィドラーは、スタッフ達に自分の体を撫でることを許したのです。
「フィドラーは物静かで穏やかで、人間が優しい生き物だということを学んでいます。彼女が最も必要としているのは、静かな環境の家と、彼女のペースで心を開くのを待っていてくれる優しい里親さんです。」
そしてフィドラーは生まれて初めて、周囲の状況や次の食事の心配をすることなく眠ることができました。
それから数ヶ月でフィドラーの体はふっくらとして、全身の毛に艶が戻りました。さらに首の周りにフサフサのたてがみが生えて、元々長かった耳の毛と全身の毛が見事に調和しました。
フィドラーはその間も、自分の殻をやぶるのに必要な時間を与えてくれる、自分にピッタリの家族が現れるのを待ち続けていました。「内気な猫はしばしば見過ごされがちですが、一度安心感を得られれば、とっても甘えん坊な猫へと生まれ変わります」と保護団体のスタッフが話してくれました。
フィドラーは現在、保護施設内を探索したり、ゆったりとくつろいだりしています。相変わらずまだ人見知りですが、他の猫達とは上手くやっているそうです。
こうしてフィドラーは自分のことを見捨てずに救助してくれた人達のおかげで、もう二度と飢えに苦しんだり避難場所を探して彷徨い歩いたりする必要がなくなりました。フィドラーは安全で快適な暮らしの中で、立派な毛並みと穏やかな心を持った猫へと生まれ変わることができたのです。
This post was published on 2026/03/26