何年も野外で命をつないできた優しい猫。家に招き入れてくれた温かい人との出会いによって、その後の人生が180度変わる

昨年の冬のこと、1匹の猫が路上に姿を現しました。近所の住人はその猫が夏の暑い時期に、食べ物を探して彷徨い歩いているところを目撃していました。

『イウォーク』と名付けられたオス猫が住人によって保護されると、少し緊張している様子を見せましたが、攻撃したりすることはありませんでした。その後、家の中で暖かいベッドとたくさんのご飯をもらったイウォークは、安堵の表情を浮かべました。この時のイウォークの毛はひどく絡まっていて、背中には他の動物に引っ掻かれてできた傷がありました。

住人が地元の保護施設『シャトンズ・オルフランズ・モントリオール』に連絡すると、すぐに施設のスタッフ達がイウォークを迎えにきました。

「私達はイウォークを引き取ると、すぐに獣医さんのところに向かいました」とスタッフが言いました。

獣医さん達はもつれた毛を丁寧に取り除いて、優しく撫でたり励ましの言葉をかけたりしながらイウォークを落ち着かせました。イウォークは怖がっていましたが、獣医さん達に協力的でした。

推定年齢が3歳のイウォークは、雪の中を歩き回っていたため、肉球が硬くなっていました。「獣医さんの診察でイウォークの肋骨に古い傷があり、それが完全に治っていないことが分かりましたが、幸いなことに痛みを感じていないようでした。」

その後、愛情深い養育主さんがイウォークを迎え入れると、イウォークの穏やかで甘い性格が輝き始めました。

保護された直後のイウォークは不安を感じていて、物陰に引きこもっていました。でも新しい環境に慣れてくると少しずつ社交的になって、愛らしくて優しい一面が表に出てきました。イウォークはとても気分が良くなって、たくさんの愛情を求めるようになりました。

イウォークの目はまぶたが内側に反転している『眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)』という症状のため、常に涙で潤んでいました。これが原因でイウォークは炎症を引き起こしていて、感染症のリスクが高まっていました。

イウォークはまぶたの問題を解決するために手術を受けました。そしてそれから2週間の間、イウォークはエリザベスカラーをつけて過ごし、養育主さんがスプーンでご飯を食べさせてくれることを喜んで、温かい愛情と優しいケアに幸せを感じていました。

一見すると控えめに見えるイウォークですが、軽く撫でられるだけで心を開いて愛情を求め始めます。イウォークはアゴや背中を撫でられるのが大好きで、そのたびに前足を伸ばして喉を鳴らして喜びの表情を見せてくれます。

またイウォークは窓辺のハンモックでくつろぎながら日光浴を楽しむことが好きですが、養育主さんの姿を見るとすぐに立ち上がって、ハグしてもらうために寄り添ってくるそうです。

「夕方になって家の中が静かになると、イウォークは遊び心のある一面を見せ始めます。彼はお気に入りのオモチャを引っ張り出してきて、それを楽しそうに追いかけ始めます。」

まだ急な動きに緊張することがあるイウォークですが、安全を感じるとすぐに甘えん坊になって、養育主さんにすり寄りながら愛情をおねだりし始めます。イウォークは静かで滅多に鳴きませんが、喉の音はとても大きくて、いつも部屋中に響き渡っているそうです。

さらにイウォークは家の中にいる他の猫達を温かく迎え入れて、猫達のスペースを尊重しながら一緒にいることを楽しんでいます。「イウォークは他の猫達とも仲良くしていますが、やっぱり人間と一緒にいる時間が一番好きなようです」と保護施設のスタッフが話してくれました。

こうしてこれまでずっと路上で命をつないできたイウォークは、優しい人達のおかげで安全な家の中で暮らすことができるようになりました。イウォークはもうこの先ずっと路上での生活をする必要がなく、いつまでも快適な家の中で幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:chatonsorphelinsmontreallovemeow

This post was published on 2025/06/03