『マックス』という名前のキジトラ猫は、自分の意見を人間に伝えたい時に何をすべきかをよく知っています。「マックスが何か言いたいことがある時は、ケージの中から腕を伸ばして叩いてきます」と保護施設『オロモクト・アンド・エリア・SPCA』のトレイシー・マルコトゥリオさんが言いました。
保護施設に来てからまだあまり時間が経っていないマックスですが、既にスタッフ達の間で有名になっています。マックスは生涯の家を探している老猫で、スタッフ達に注目されて愛情を注いでもらうことを楽しんでいます。そんな人間好きのマックスですが、一度に受け取る愛情には限界があり、その限界を超えた時にははっきりと伝えることを恐れません。」
「マックスはちょっと気難しいおじいちゃんで、彼の合図をきちんと読み取らないと叩かれることになります」とトレイシーさんが言いました。
マックスに叩き癖があることを知ったスタッフ達は、『マックスが叩かなかった日数』の記録を残すために、ケージに張り紙をしました。
マックスが誰も叩かずに1日を過ごすたびに、スタッフ達は張り紙に書かれた数字に1をプラスしました。これまでのところ『マックスが叩かなかった日数』の最長記録は4日ですが、圧倒的に0日の時が多いそうです。
マックスは訪問者とコミュニケーションを取るために前足を使うことが好きですが、スタッフ達はみんなマックスの行動に悪気がないことを知っています。
「マックスは悪い猫ではありません。彼は普段から私達と様々なやりとりをしていますが、それがもう十分だと思ったら、それを終わらせるために叩いてきます。」
スタッフ達にとってマックスの好きなことと嫌いなことを知ることはとても重要なことです。例えば毎回ケージの掃除時間になると、スタッフ達はマックスが微妙な気持ちになることを知っているため、気持ちを紛らわすために他の猫達と一緒に施設の中を走り回らせています。またマックスの機嫌をすぐに回復させられるように、いつでもお気に入りのオヤツを差し出せるように準備しているそうです。
「マックスは無類のオヤツ好きで、彼の心を掴む時は缶詰かカリカリが非常に効果的です。」
それでもマックスの叩きからは完全に逃れることはできません。マックスが何日間か誰も叩かない時があっても、必ず最後には『マックスが叩かなかった日数』がゼロに戻るのです。
ちなみにマックスの連続記録を破ってしまった人には、マックスに叩かれたことを記念してピンバッジが贈られるそうです。
トレイシーさんとスタッフ達がマックスの愛らしい癖を知ってからは、SNSでその癖についての情報を提供していますが、スタッフ達はみんなマックスが施設から旅立つ日が来ることを望んでいました。
「私達はマックスとのやりとりを楽しんでいますが、同時に彼がずっと暮らすことのできる家が見つかることを願っています。きっと愛らしい彼の元には素敵な家族が現れることでしょう。」
スタッフ達がマックスの叩き癖についての投稿を続けていると、施設にはマックスのことについてだけではなく、施設にいる他の猫達への問い合わせも殺到しました。
「結局マックスを通して、施設にいる他の猫達にも注目が集まりました。彼は仲間の猫達が里親さんに出会うためのチャンスを作りました」とトレイシーさんが話してくれました。
その後、里親さんを待っていたマックスの元に素敵な家族が現れました。マックスはすぐに施設から旅立って、生涯の家で落ち着いたそうです。きっとマックスはこれからも何か物申したいことがある時は、その愛らしい行動で家族に自分の気持ちを伝え続けていくことでしょう(*´ェ`*)
This post was published on 2025/02/23