猫の『バギー』と2匹の兄弟は、8週齢の時にイギリスにある保護施設『キャッツ・プロテクション』によって保護されました。
「子猫達は8週齢にもかかわらず、5週齢の大きさしかありませんでした。彼らは栄養失調に陥っていて、全身にノミがついていました。さらにお腹には虫がいて、健康状態は最悪で、彼らが持ちこたえられたのは奇跡的なことでした」と保護施設でボランティアをしているクレア・ハーバーさんが言いました。
子猫達はその強い意志で、最悪の時期を何とか乗り越えることができたのです。
子猫達は全員、染色体異常で生まれました。「特にバギーは大きな影響を受けていました。彼は異常に大きな目と、完全に開くことのできない歪んだアゴで生まれました。さらに足にもハンデを負っていたのですが、保護されたばかりの時は獣医さんも気づくことができませんでした。」
クレアさんが初めてバギーに会った時、バギーの姿に一目惚れしました。そしてバギーはすぐにクレアさんの心の中に忍び込んでいったのです。
それから1ヶ月後、獣医さんはバギーの膝がしらが外れた状態になっていることに気づきました。
「バギーは膝の手術のために、獣医さんにレントゲンを撮影してもらいました。そして、私達は大きな衝撃を受けました。バギーの後ろ足から腰にかけての全ての関節が変形していました。」
「それは非常に難しい手術だったため、この病院で手術をすることは不可能でした。獣医さんはバギーが1歳になる前に治療をしなければ、彼は歩くこともできず、苦しみ続けることになるだろうと言いました。」
「私はこの診断を聞いて、バギーのことをさらに大切に思うようになり、彼を家族に迎えることに決めました。私はたとえ彼が長く生きられなくても、彼が幸せを感じられる環境で一生を過ごして欲しいと強く思いました。」
バギーは治療のため数ヶ月間里子に出ることができなかったため、クレアさんはクリスマスの朝に施設へと足を運び、バギーにプレゼントを渡し、一緒の時間を過ごしました。そして、翌年の2月1日にバギーを家族に迎えました。
その後、クレアさんの最善の努力にもかかわらず、バギーの足は悪化し続けました。「私の心は打ちひしがれました。私はイギリス中の獣医さんに足の治療をお願いしましたが、その全員から不可能だという返事がありました。彼の状態は予想以上にひどく、どうすることもできませんでした。」
「そんな中、私は猫用のご飯を買いに行った時に最悪のことを考えてしまいました。『バギーはもう2ヶ月も生きられないかもしれない』という考えが頭を支配し、ここで食べ物を買うべきかどうかも分からなくなってしまいました。」
その後、クレアさんはノエル・フィッツパトリックという、驚くべき獣医のことを思い出しました。ノエル博士は動物の整形外科と神経学に精通していて、奇跡の手術を行う獣医として知られていました。
クレアさんは10時間かけて、北アイルランドのベルファストからスコットランドのケアンニャンへと移動しました。そしてノエル博士にバギーを診てもらうと、彼を治すことができると言われたのです。それはこれまでで最高のニュースでした!
バギーは6月に救命手術を受けました。そして、足と背中の金属固定具を取り除くために、再び7月に手術を受けました。
「バギーは術後にとても怖がっていましたが、私が会いに行くと安心した表情を見せてくれました。ノエル博士は私に、バギーのリハビリの方法を丁寧に教えてくれました。」
「手術後に私はバギーのこれからについてノエル博士に聞きました。すると彼は『バギーは他の猫と変わらない年齢まで生きることができるよ』と言ってきたのです。私は思わず声を出して喜びました!」
「現在、7歳になったバギーは元気いっぱいに暮らしています! 彼はキャットツリーを飛び越えて、同居猫達を追いかけています。彼は鳥や外の風、そして日光浴が大好きで、庭に設置してある猫用の家も気に入ってくれました。」
こちらがバギーの現在の姿です!
「バギーは私の大切な家族です。彼がいなければ私は生きていけないでしょう。彼はとても厳しい時期を乗り越え、私を助けてくれました」とクレアさんが話してくれました。
今から7年前、バギーは先の見えないまま保護施設で最初のクリスマスを迎えました。でも今は違います。バギーは自分の愛する家で元気に走り回り、生きていることに大きな喜びを感じているのです!
This post was published on 2024/12/25