数ヶ月前、路上をひとりで彷徨い歩く野良猫が目撃されました。猫はお腹を空かせていて、ご飯を求めて家の庭や玄関先に姿を現しました。そんな猫のことを心配した近所の人達が、猫の保護を試みました。しかし、猫は人間が近づいてくると逃げ出して、数分後に再び元の場所に戻ってきました。
近所の人達は猫を保護することができなかったため、代わりにご飯を用意して、避難所を作りました。また猫が家からいなくなった人がいないかを尋ねて回りました。
しかし、猫を迎えにくる人は現れず、気温が徐々に下がってきたため、近所の人達は猫に素敵な里親さんが見つかることを期待して、地元の保護施設『エクスプロイツ・バレー・SPCA』に連絡をしました。
そんな親切な人達のおかげで猫はついに路上での生活を終わらせて、安全な場所で暮らし始めることができたのです。
猫は推定年齢が3〜4歳で、全身にノミがついていました。「猫はとても怖がっていて、私達に身体を触らせてくれませんでした」と保護施設のスタッフが言いました。
猫はあらゆる方法で隠れようとして、最終的にトイレの箱の中に身を隠しました。
最適なケアとたっぷりの美味しいご飯のおかげで、猫は少しずつスタッフ達に馴染んでいきました。そして保護から数日が経つと、ついに身体を触らせてくれるようになったのです。「猫はまだ新しい環境に怯えていますが、喉をゴロゴロと鳴らすようになりました。もしかすると彼女は以前どこかの家で飼われていたことがあるのかもしれません。」
スタッフ達に『ハニー』と名付けられた猫は、保護施設でさらに数日間過ごし、里子に行く準備を整えました。
ハニーは愛情を欲しがっていましたが、まだ自信が持てなくて、訪問者が近づいてくるたびに物陰に隠れたり、部屋の隅で動かなくなったりしました。そのため自然と社交的な猫達の方に訪問者の視線が流れて、ハニーはなかなか里親さんと出会うことができませんでした。
その様子を見ていたスタッフ達は、ハニーを魅了することのできる特別な人を見つけたいと強く思いました。
そんな中、ある夫婦が子猫を迎えようと保護施設を訪れました。「私達は13年間一緒に暮らしてきた愛猫を突然亡くし、新たな愛情が無いと生きていけない状態でした」と夫婦が言いました。
保護施設で子猫は見つかりませんでしたが、夫婦はキャットツリーから顔を覗かせているハニーのことがとても気になりました。結局夫婦は猫を引き取ることなく施設を後にしましたが、帰宅してからもハニーのことを考えずにはいられませんでした。
「私は数日後に保護施設に戻って、猫と一緒の時間を過ごしました。彼女は怖がっていましたが、私が撫でるとすぐに喉を鳴らし始めました。その後、スタッフ達と言葉を交わすと、彼女が抱っこを許可して喉を鳴らすことは非常に特別なことだと分かりました。」
ハニーはまるで待ち望んでいた人を見つけたかのように、とても嬉しそうな姿を見せてくれました。「猫が私のことをどれほど信頼しているのかが分かった後、彼女の名前を聞いて驚きました。彼女はお別れした愛猫と同じ名前でした。」
夫婦がハニーを家に迎えることを決めると、スタッフ達は大喜びしました。ハニーは12匹の猫達のうち最も長く保護施設に留まっていた猫で、最も内気な性格でしたが、ついに生涯の家を見つけることができたのです。
その後、『ピーチズ』に名前を変えたハニーは、生涯の家で暮らし始めてから約1週間で新しい環境に順応しました。
「ピーチズは抱きしめられるのが大好きです。彼女はまだ時々隠れていますが、抱きかかえることができた時は愛情をたっぷりと受け取ってくれます。彼女はいつも美味しそうにご飯を食べて、トイレを上手に使って、家の中を探索したりしています。」
「ピーチズはもう二度と路上を彷徨い歩くことはありません」と夫婦が話してくれました。
こうしてピーチズは優しい夫婦の元で新しい毎日を歩み始めました。これからもピーチズはたくさんの愛情を吸収しながら、安全で快適な家の中で幸せな時間を過ごしていくことでしょう。
This post was published on 2024/12/19