厳しい冬の寒さの中、カナダのモントリオールにある保護施設に、生後8ヶ月の母猫と幼い子猫達が運ばれてきました。
母猫は子猫達にミルクを与えることが出来なくなっていて、慣れない環境にとても混乱していました。そんな母猫の姿を見たスタッフ達は「このままでは子猫達の命が危ない」と強く感じましたが、子猫達を育てる環境が整っていなかったため、いくつかの保護施設に助けを求めました。
猫の親子の窮状を知った保護施設『シャトンズ・オルフランズ・モントリオール』のスタッフ達は、すぐに親子を受け入れることに決めました。そして母猫が落ち着くことのできる静かな家と、経験豊富な養育ボランティアさんを探し始めました。
スタッフ達に『ミルキー』と名付けられた母猫は非常に痩せ細っていて、辛い期間を過ごしてきたことが一目で分かりました。しかし、そんな状態にもかかわらず、ミルキーはスタッフ達にとても優しく接してきました。
「ミルキーはすぐに私達のことを信頼してくれました。彼女は私達のところに来てから2日間で随分と変わって、静かで快適な養育主さんの家で落ち着きを取り戻しました」と保護施設のセリーヌ・クロムさんが言いました。
ミルキーと一緒に保護された子猫達も体重不足に陥っていました。また、子猫達はみんな『フィーバーコート』の状態で生まれ、全身の毛が白みがかっていました。それはミルキーが妊娠している時に、発熱やストレスがあったことを示していました。
「子猫達はまだとても幼く、私達のところに来た時にはヘソの緒がついたままの状態でした。子猫達の世話を始めた養育主さんは、全ての子猫がしっかりとミルクを飲んでいるかを注意深く確認し続けました。」
ミルキーは疲れ切っていましたが、大切な子猫達の世話に全ての力を注いでいました。またミルキーは子猫達の世話を続けながら、自らの体力を少しでも回復させようと、最初の数日間はたくさんの睡眠をとっていたそうです。
しかし数日後、ミルキーはほとんどご飯が食べられなくなって、ミルクを作り出すことができなくなりました。ミルキーはすぐに動物病院へと連れて行かれて、そこで検査を受けることになりました。
「獣医さん達はミルキーに超音波を当てて、隅々までチェックしました。すると彼女の子宮に液体が溜まっていて、すぐに手術が必要なことが分かりました。」
ミルキーが入院している間、子猫達は養育ボランティアのエリカさんとダニエルさんによって、24時間体制の世話が行われました。子猫達は哺乳瓶からたくさんのミルクを飲んで、一日で随分と体重を増やすことができたそうです。
一方のミルキーは手術から目覚めるとすぐに食欲を取り戻して、たくさんのご飯を食べるようになりました。ミルキーは美味しいご飯でお腹を満たすと、幸せそうに喉を鳴らしながら両手でフミフミし始めました。
その後、養育主のバレンタインさんの家に移ったミルキーは、みるみるうちに回復していきました。ミルキーは3日で450gほど体重を増やし、エネルギーが今までの数倍にもなったそうです。
こうして辛い時期を乗り越えたミルキーは、安全な家の中でたっぷりと甘やかされながら新しい人生をスタートさせました。
「手術から回復したミルキーは、まるで子猫のように常にバレンタインさんに寄り添っています。彼女は人間が近くにいると安心するようで、誰かに見守られている時はいつも、たくさんのご飯を食べてお腹を満たしています」とセリーヌさんが話してくれました。
ミルキーは大好きなバレンタインさんの注意を引きながら、いつも幸せそうにピッタリと寄り添っています。そして、バレンタインさんのことをフミフミしながら、大きな音で喉をゴロゴロと鳴らし続けているそうです(*´ω`*)
This post was published on 2024/11/14