ある日、カナダのケベック州に住んでいるマシュー・パーティーさんが、自宅近くの森の中を自転車で走っていると、小さな動くものに目が留まりました。不思議に思ったマシューさんが近づいてみると、それが幼い子猫だと分かったのです。
「私はマウンテンバイクを降りて、子猫の様子を確認しに行きました。私は最初、それが普通の猫だと思っていました」とマシューさんが言いました。
しかし、マシューさんがさらに近づいて行くと、子猫が普通の猫とは違っているように感じました。
そして、マシューさんは子猫がイエネコではないことに気づいたのです。子猫がとても野生的な姿をしていたため、子猫の正体に気づきました。
「私は子猫の足を見てオオヤマネコかもしれないと思いました。そして、小さな丸みを帯びた耳と小さなシッポを見て、それが確信へと変わりました。」
マシューさんは子猫が孤立しているか分からなかったため、母親が戻ってくることを願って、子猫をその場に残していくことにしました。しかし、マシューさんは自宅に帰ってからもずっと、子猫のことが頭から離れませんでした。
翌日、マシューさんが再び子猫がいた場所に戻ると、子猫が昨日と同じ場所で鳴いているのを発見しました。どうやら母親は子猫の元に戻って来なかったようです。
マシューさんはこれ以上子猫をその場に残しておくことができませんでした。そこで子猫を抱え上げると、自宅へと連れて帰ったのです。
こうしてマシューさんのおかげで子猫は独りぼっちではなくなりました。
マシューさんは子猫を自宅に連れて帰った後、動物園の野生動物リハビリセンターに連絡をしました。センターのスタッフ達はマシューさんにオオヤマネコの育て方を教えて、子猫を引き取りに行くまでの間世話をして欲しいと伝えてきました。
翌朝、子猫をスタッフに引き渡した時、マシューさんは子猫がこの時期のオオヤマネコの子供にしては、とても身体が小さいことを知りました。マシューさんは子猫がしばらくひとりで暮らしていて、とても苦労していたのだろうと思ったそうです。
しかし、今の子猫は確実に良い方向へと向かっています。
子猫は動物園でしばらく世話をされた後、十分に成長したら野生へと帰されるそうです。きっと子猫はいつか普通のオオヤマネコのような暮らしを取り戻すことでしょう。
こうして無事に子猫を送り出したマシューさんは、自分が子猫に生きるチャンスを与えられたことに大きな喜びを感じたそうです。
「私は全ての動物が大好きで、子猫を助けることができて本当に嬉しく思っています。子猫が安全な場所ですくすくと成長していることに心から幸せを感じています」とマシューさんが嬉しそうに話してくれました。
出典:Mathieu Patry/thedodo
This post was published on 2024/10/28