ある日、荷積み場で4匹の幼い子猫達が発見されましたが、母猫の姿はどこにもありませんでした。そんな置き去りにされていた子猫達の中で一番厳しい戦いを強いられていたのが、のちに『グライムス』と名付けられた灰白の子猫でした。
重篤な子猫や障がいのある子猫を専門に預かっている養育ボランティアのディージさんは、子猫達の救助要請を受け取るとすぐに協力することを申し出ました。「私の家に運ばれてきた子猫達は、私が想像していたよりもずっとひどい状態でした」とディージさんが言いました。
子猫達は未熟児で生まれ、出産後すぐに置き去りにされてしまいました。子猫達の身体は非常に冷たくなっていて、寒さの中で凍傷を負っていました。「子猫達は非常に体温が低くなっていて、命をつないでいるのが奇跡でした。」
ディージさんはミルクを与えても大丈夫なくらいまで子猫達の身体を温めると、シリンジを使ってミルクを飲ませ始めました。子猫達は非常にお腹を空かせていたため、すぐにシリンジを掴んでミルクを飲み始めました。
そして、毎日たくさんのミルクを飲んだ子猫達は、生後5日目に平均的な子猫の生まれたばかりの大きさになりました。また子猫達の中には食事の後に喉を鳴らすようになった子もいました。
看護を始めてから約10日後、凍傷を負っていた部分は随分と落ち着きました。「子猫達の急激な進歩に、私は毎日驚かされています。」
そんな子猫達の中で一番凍傷がひどかったのがグライムスでした。「グライムスは凍傷によって、右耳と前足の3本の指、そしてシッポの半分を失っていました。」
しかし、そんな状況にもかかわらず、グライムスはその強い精神で前進し続けました。グライムスはまさに戦士で、何者もグライムスの動きを遅くしたり、行動を妨げたりすることはできないのです。
「グライムスの兄弟の『ウォーカー』は両耳の先端を失い、グライムスと同じようにシッポの半分を失いました。そして姉妹の『ヴァン・カウ』も片耳を失いました。」
「もうひとりの姉妹の『エリー』は幸いなことに、凍傷によって身体の一部を失うことはありませんでした。」
ディージさんは子猫達を健康な状態に戻し、確実に成長を続けられるように、眠れない夜を何度も過ごしながらケアを続けました。ディージさんは常に子猫達の身体を清潔に保ち、たくさんの愛情を注ぎ続けました。
そんなディージさんの献身的な看護のおかげで子猫達は元気を取り戻し、1週間ほど年上の保護子猫達とも遊べるようになりました。
「年上の茶トラの『チャンク・ノリス』は非常に大きな子猫です。そのため身体の小さなグライムス達と一緒にいると、その違いがよく分かります。」
身体の大きさが随分と違う子猫達ですが、いつも仲良く一緒に遊んでいます。グライムスも大きな子猫達と毎日プロレスごっこをしていますが、いつもいい勝負をしているそうです。
「グライムス達は現在生後約6週間で、まだ哺乳瓶を完全に卒業していませんが確実に成長を続けています。」
そんな子猫達のためにディージさんは最近、大きなフワフワのベッドを用意しました。するとすぐにベッドは子猫達に大人気になりました。「子猫達は快適なベッドに夢中で、一日のほとんどの時間をその中で過ごしています。」
グライムスと兄弟達は生まれてすぐに大変な時期を過ごしましたが、ディージさん達のおかげで全員が立ち直ることができました。今の子猫達はとても好奇心が旺盛で健康的で、毎日を楽しそうに過ごしているのです。
「子猫達は膝に寄り添うことが大好きで、いつも甘えん坊な姿を見せてくれています。子猫達はすくすくと成長を続けていて、毎日元気いっぱいに遊び回っています」とディージさんが話してくれました。
出典:deejandthecats/lovemeow
This post was published on 2024/04/26