ある日、子猫達の小さな鳴き声が聞こえて来たため、心配した近くの住民達が子猫達の姿を探していると、ある家の植木鉢の中に4匹の子猫達の姿を発見しました。子猫達は生まれたばかりで、植木鉢に落ちていた葉っぱの間で身を寄せ合っていました。
子猫達は雨風にさらされていて、寄り添いながらお互いのことを温め合っていました。そんな子猫達のことを心配した住民達が母猫を探し回っていると、遠くの方に母猫の姿を発見しました。
その後、住民達がオンライン上で救助要請を出すと、地元の保護施設『シャトンズ・オルフランズ・モントリオール』のスタッフ達がすぐに行動を起こしました。
「私達が現場に到着すると、母猫は子猫達を隣の庭のポーチの下に移動させていました」と保護施設のセリーヌさんが言いました。
スタッフ達が捕獲器をポーチの近くに設置すると、数時間後に空腹に耐えられなくなった母猫が捕獲器の中に入ってきました。
無事に母猫を保護したスタッフ達は、子猫達をポーチの下から救い出して、自分達の保護施設へと連れて行きました。
その後、養育主さんの家に移動した親子でしたが、『ハドラ』と名付けられた母猫は隅っこの方に隠れてしまいました。新しい環境に来たばかりのハドラにとって、身の回りの全てが異質なものに見えて、家の中の快適さが分かりませんでした。
ハドラは非常に戸惑っていて、食べることも拒否していました。その姿を見た養育主さんはハドラのそばに座って、ここが安全な場所だと伝えるためにハドラに話しかけました。そして、ハドラがご飯を食べてくれるのを願いながら、指にご飯を乗せてハドラの方へと近づけました。
最初の頃のハドラは乗り気ではありませんでしたが、空腹に耐えることができず、勇気を振り絞ってご飯を食べ始めました。「保護からほぼ24時間後、ハドラはついに養育主さんの手からご飯を食べて、養育主さんとのつながりが生まれました。」
ハドラは少しずつリラックスしていって、その瞳からは徐々に警戒心が消えていきました。そして、ハドラは信頼の証としてゆっくりと瞬きをするようになり、養育主さんが子猫達を触ったり、体重を量ったりすることを許すようになりました。
「養育主さんは子猫達が元気に育っているかを確認するために、1時間ごとに様子を確認しに行きました。そして、体重が減ったりミルクを飲めなくなっている子猫を見つけると、再び母乳が飲めるようになるまで哺乳瓶で栄養を与えました。」
ハドラはほとんどの時間を大切な子猫達と一緒に過ごし、子猫達のそばから離れることはほとんどありませんでした。そんなハドラは養育主さんが部屋に入ってくると、嬉しそうに喉をゴロゴロと鳴らし始めて、顔を擦りつけて挨拶してきました。
今日で生後1週間を迎えた子猫達の目は徐々に開き始めています。きっとすぐに子猫達は好奇心が旺盛になって、身の回りの世界を知りたがるようになることでしょう。
「子猫達は男の子が3匹と女の子が1匹で、『ズーコ(黒猫)』『ブミ(サバトラ猫)』『マコ(キジトラ猫)』『アズーラ(キジトラ猫)』と名付けました。一番最初に目を開けたのがズーコで、マコがそれに続きました。」
子猫達は日に日にエネルギーが増してきていて、寝床の中でクネクネしたり、転がったり、周りの匂いを嗅いだりしながら過ごしているそうです。
一方のハドラは新しく発見したもの全てに興味津々で、周囲を探索することに時間を費やすようになりました。ハドラは頭の上に屋根があり、自分の要求に応えてくれる養育主さんがいることにとても満足していました。
「子猫達は元気に過ごしていて、毎日体重が増えていっています。ハドラは素晴らしいお母さんで、子猫達のことをとても大切にしています」とセリーヌさんが話してくれました。
こうして多くの優しい人達によって、5匹の猫の親子は新しい人生を歩み始めることができました。今の親子はたくさんの愛情や食べ物に満たされていて、安全な家の中で幸せいっぱいの毎日を送っているのです。
出典:comrescuemontreal/lovemeow
This post was published on 2024/04/20