保護団体『アーバン・キャット・コアリション』のボランティアのルーシー・ウェザリーさんが、TNR活動(野良猫の不妊去勢手術を行い、元の場所に戻す活動)に取り組んでいると、耳が折れた猫の姿を発見しました。
『ガス』と名付けられた猫は人間にあまり慣れておらず、野生的な部分がありましたが、その瞳の奥には人間との繋がりを求める気持ちが隠されていました。ルーシーさんはボランティア仲間のジュリー・クラチックさんに連絡をして、ガスを養育することができるかを尋ねました。
その後、ジュリーさんがガスを家に迎え入れると、ガスがこれまでに大変な生活を送ってきたことが分かりました。
ガスは顔の傷の治療を受けました。さらにガスは呼吸が困難な状態に陥っていて、胃や耳に問題を抱えていて、背中はかさぶたで覆われていて、鼻水が出ていました。
ジュリーさんの家で過ごし始めたガスは、緊張して自信が持てなくなっていて、暗い場所に置かれた小さなキャットハウスに身を隠しました。「ガスは物陰から出るのを怖がっていました」とジュリーさんが言いました。
ジュリーさんはガスに自分の手の匂いを嗅がせて、新しい環境に慣れさせるために時間を与えました。
「しばらくするとガスが頭を撫でてもらうために私の手に寄りかかってきて、お腹をさすってもらうために仰向けになりました。彼はここが安全な場所だと感じたようです。」
今のガスは撫でられると目を輝かせて、頬を緩ませます。そして喜びを感じたガスは、何度もジュリーさんの手に顔を擦りつけてくるそうです。
「ガスの前足の肉球は非常に荒れていて、それは何年も野外で苦労してきたことの証でした。野良猫のリハビリで私が一番好きなことの一つは、初めて足のかさぶたが剥がれ落ちる瞬間を目にすることです。私はその光景を見た時、猫がこれから本当に穏やかな人生を歩み始めるのだと感じて、心の底から嬉しくなります。」
ガスは訪れた動物病院で獣医さんの言うことを素直に聞きながら、レントゲンや様々な検査を受けました。そして家に帰って検査結果を待っている間、ガスはリラックスしながらイビキをかいて眠っていたそうです。
ガスは少し控えめな性格ですが、一度撫でられると途端に頭をぶつけてくるようになって、ゴロゴロと喉を鳴らし始めます。
「ガスはどうやら1回眠るたびに、私と一緒に過ごした時間のことを忘れてしまうようです。そのため私が家に帰ってくると、彼はいつも自分のキャットハウスに飛び込んで隠れます。その後、私が彼の頭を撫でると、彼は私のことを思い出してゴロゴロとの喉を鳴らし始めて、ハウスの中から幸せそうに現れます。」
「またガスは食べることも大好きで、ウェットフードがお気に入りのご飯になりました。彼はそれほど活発ではなく、あまり歩き回ることはありません。彼はヒーターの上でのんびりとくつろいだり、窓辺から庭を眺めたりするのが好きです。」
ガスは現在、保護団体の支援とジュリーさんの無限の愛情に幸せを感じながら、毎日素晴らしいケアを受けています。「ガスは身体のことを全く気にしていないようで、いつもたくさんのご飯を食べてお腹を満足させています」とジュリーさんが話してくれました。
こうして長い路上での生活を終えたガスは、柔らかいベッドと美味しいご飯が用意された、愛情いっぱいの家に辿り着くことができました。ガスはこれからも安全な家の中で過ごしながら、幸せに満ちた毎日を送っていくことでしょう。
出典:julieKGK/lovemeow
This post was published on 2024/03/06