イラク難民の家族が安全に暮らせる場所を探す途中で、愛猫とはぐれてしまいました。しかし、多くの人々の助けで奇跡的に再会することができたのです。
多くの難民は長く暮らした家を失いました。そして、ほとんど全てのものを国に残し、僅かな手荷物のみで国を離れることを余儀なくされたのです。
命からがら逃げてくる難民達は、海を渡ってギリシャなどに入国してきます。この写真はボランティアグループが、難民のボートを探しているところです。
そして、難民のボートが来ると、自らも海に入って難民を必死に救助しているのです。
2015年11月、一艘のボートがギリシャの沿岸に着きました。ゴム製のボートに乗っていたのは、イラク北部のモスルから逃れてきた家族と、家族同然の真っ白な愛猫でした。
しかし、慣れないボートに長時間乗せられていた恐怖で、猫は到着するなり浜辺に飛び降り、そのまま逃げ出してしまったのです。家族は周辺を探しまわりましたが、見つけることができませんでした。家族は愛猫が見つかるまで探し続けたかったのですが、難民の人々はこの地に長時間留まることができず、愛猫を置いていかなければならなくなったのです。
その後、この話を知ったボランティアグループによる捜索が始まったのですが、猫を見つけることができないまま時間だけが過ぎていきました。しかし、それから数週間後、地元のカフェに猫が現れたという情報が入ったのです。
二人のボランティア、ミシェルさんとエイミーさんは猫を保護し、知り合いの獣医さんに診てもらい、何とかして家族と再会させる方法はないかと相談しました。
実は、この時、収容所に入っていた家族とは連絡を取ることができなくなっていたのです。その後、収容所を出た家族がどの国へ行ったのかも分かりませんでした。
ボランティアグループは家族を探すと同時に、猫のパスポートの取得にかかる費用や生活費、そして渡航費を集めるために募金を募りました。
この話は多くのメディアで取り上げられ、広く拡散され、その結果、多くの方から援助を得ることができました。さらにうれしいニュースが飛び込んできました。なんと、猫と離ればなれになった家族が見つかったのです!ベルリンの難民収容所に入っていた家族は、その後ノルウェーに渡っていたのです。
ボランティアグループは早速、猫を飼い主さんのところへ送る準備を始めました。こちらがノルウェーに旅立つ時の猫の様子です。
家族と愛猫が離ればなれになってから4ヶ月後の2016年2月12日。
ついに再会を果たすことができたのです。
猫の名前は『クンクシュ』というそうです。
ボランティアのミシェルさんとエイミーさんはノルウェーに住む家族と話をするのを楽しみにしていました。Skypeで会話をしていると、クンクシュは聞き覚えのある声を聞いたためか、何度もパソコンに近づいてきたそうです。
4ヶ月という長い期間を経て、やっと家族と再会できたクンクシュ。イラクに住んでいた頃とは全く違う環境ですが、再会した家族といっしょに幸せに暮らしているそうです。
今回の奇跡の再会は、ボアンティアグループの必死の努力と、情報を拡散してくれたメディア、そして多くの支援者のおかげで成し遂げられました。人の心の繫がりは、無限のパワーを生み出すのだと強く感じます。人々の優しさが詰まった家族の再会に心を打たれます。
出典:facebook.com
This post was published on 2016/02/20