ある日、カナダのアルタが-39度の凍てつく寒さに襲われました。
その日の朝、車掌のブラッド・スレターさんがウェインライト駅のホームを歩いていると、どこからか猫の声が聞こえてきました。気になったブラッドさんが声のする方に向かうと、列車の第2エンジンの下の隙間に猫の姿を発見したのです!
猫は1,000km以上もの距離を運ばれてきた可能性があり、身体が雪と氷で覆われていました。ブラッドさんが慎重に猫を抱きかかえると、猫の凍った手が僅かに動きました。
ブラッドさんは猫の身体を防寒コートで包むと、暖かい列車の中へと連れて行きました。
あまり人間慣れしていなかった猫はブラッドさんに緊張したようで、両目がずっと見開かれたままになっていました。猫はブラッドさんを威嚇しようとしましたが、声が出せないほど全身が凍えていました。
しばらくブラッドさんと一緒に身体を温めていた猫は、徐々に動けるようになっていきました。猫はその間にブラッドさんが優しい人だと気づいたようで、コートの中から出てくると、膝の上に乗ってきました。そして、「助けてくれてありがとう」と言っているかのように、ブラッドさんの腕に頭を擦りつけてきたのです。
猫は非常に喉が乾いていてお腹が空いていました。そこでブラッドさんは何かあった時のために用意していたビーフジャーキーを細かく砕くと、水と一緒に食べさせてあげました。
そのおかげで猫はお腹が少し満たされ、ブラッドさんの上で眠り始めました。
その後、ブラッドさんの妻が駅まで迎えにきてくれました。夫婦は猫を自宅に連れて帰ると、温かいお風呂に入れて、たくさんのご飯を食べさせました。
ブラッドさんは列車から名前をとって、猫に『Q199』と名付けました。Q199は優しい夫婦にすっかり安心したようで、その日の夜は夫婦と同じベッドで眠りについたそうです。
「もしあの時Q199を見つけていなかったら、彼は次の駅に着く前に命を失っていたかもしれません。彼は奇跡の猫です」とブラッドさんが言いました。
その後、ブラッドさんはSNSなどを使ってQ199の飼い主さんを探しましたが、Q199が自分の猫だという人は現れませんでした。そこでブラッドさんはQ199を正式に家族の一員として迎え入れたのです。
こうして列車の隙間で凍りついていたQ199は、優しい夫婦と一緒に暮らし始めることができました。すっかり家族になったブラッドさんとQ199は、いつもお互いに寄り添いながら幸せな時間を過ごしているそうです♪
出典:brad.slater/lovemeow
This post was published on 2024/01/09