氷点下の気温の中、カナダのニューファンドランド島で寒さに震えていた猫の親子が発見されました。その後、母猫と2匹の子猫達は地元の保護施設『エクスプロイトバレーSPCA』に運ばれてきました。
「母猫の『ビリー・ジーン』は寒さの中、子猫達のことを懸命に守っていました。彼女はとても友好的でしたが、子猫達は非常に野生的で人間のことを怖がっていました」と保護施設のスタッフが言いました。
『リリアン』と『ジリアン』と名付けられた2匹の子猫達は、養育主さんの家に行くまでに一度も、人間と交流することはありませんでした。子猫達は生後約2ヶ月で、社会化を強く必要としていました。
「子猫達はこれまで人間との接触が無かったため、人間のことを非常に怖がっていました。」
養育主さんは親子を自宅に迎え入れると、すぐに子猫達の社会化に取り組み始めました。養育主さんは子猫達に人間が怖い存在ではないことを伝えるために、オヤツなどを使って少しずつ距離を縮めていきました。
その間、とても社交的だった母親のビリーは、安全な家の中でお腹をいっぱいに満たし、快適なベッドでゆっくりと過ごしながら、家猫としての新しい生活を楽しみ始めました。
すぐに新しい環境に落ち着いたビリーは、部屋の中を探索し始めました。そして養育主さんの気を引くために近づいて行って、撫でてもらうために頭突きをしたり、擦り寄ったりしながら甘えるようになりました。
一方のリリアンとジリアンはとても警戒していて、お互いに身を寄せ合いながら物陰に隠れ続けていました。
養育主さんはゆっくりと時間をかけて子猫達に近づき、慎重に手を伸ばして撫で始めました。すると子猫達は「シャー!」という威嚇音を発しましたが、養育主さんの手から逃げようとはしませんでした。
どうやら子猫達は養育主さんに撫でられることに気持ち良さを感じたようで、撫でられるたびに心を溶かしていきました。
さらに養育主さんは子猫達をブランケットで包み込んで、抱っこをしながら身体を温めました。
そしてお気に入りのオヤツを食べさせながら何度も抱きしめると、子猫達の心の壁が崩れ始め、徐々に自分達の殻の中から出てきたのです。
子猫達は恐怖心が愛情に変わり、人間に向かってゆっくりと瞬きをしたり、自信を持って広い場所に座ったり、時には仰向けになって転がったりするようになりました。
「ジリアンは怖がりで緊張していましたが、簡単に捕まえて触ることができました。一方のリリアンは非常に警戒心が強く、距離を縮めるためにはたくさんの忍耐と時間が必要でした。でも子猫達はオヤツやオモチャ、そして温かい愛情で確実に人間のことを信頼していきました。」
ビリーはそんな子猫達に容器から水を飲む方法やトイレの使い方、そして快適なベッドで眠ることの気持ち良さなどを教えました。
さらにビリーは子猫達に人間が悪い生き物ではないことを伝えました。
今のビリーと子猫達はご飯や避難場所の心配をする必要が無くなり、明るい未来に向かって歩み続けています。少し前まで厳しい寒さと戦っていた親子は、暖かい環境の中で安全な生活を手に入れることができたのです。
ビリーは相変わらず社交的で、いつも愛らしい姿で養育主さんの心を温め続けています。また柔らかいものをこねながら幸せな時間を過ごしているそうです。
一方の子猫達は家の中で随分とリラックスできるようになってきていて、日に日に甘えん坊へと変わってきているそうです(*´ω`*)
出典:ExploitsValley SPCA/lovemeow
This post was published on 2023/03/07