ある日、車で移動していた女性が、車道の真ん中にいる子猫の姿を発見しました。女性はすぐに車を止めると、向かってくる車を制止しながら子猫の元へと急ぎました。
その後、子猫は動物病院に運ばれて、そこで左の後ろ足が骨折していることが分かりました。また子猫は前足にも怪我を負っていたため、獣医さんの治療を受けました。子猫の回復には養育主さんによるケアが必要だったため、動物病院のスタッフ達は地元の保護施設『ベスト・フレンズ・フィーラインズ』に助けを求めました。
「私達は動物病院からの連絡を受けるとすぐに子猫を迎えに行きました」と保護施設のスタッフが言いました。
翌日、『スローン』と名付けられた子猫は元気を取り戻し、随分と前足が使えるようになりました。そしてスローンは少しずつ戻ってきた力を使って、世話をしてくれた動物病院のスタッフ達を次々と魅了していったのです。
スローンはみんなの注意を引くために、喉を鳴らしながら愛らしい姿でアピールしてきました。スローンは左の後ろ足を使うことができないにもかかわらず、ひとりでトイレを使う方法も編み出しました。
スローンは養育ボランティアさんの献身的なケアのおかげで、快適な環境の中で回復し始めました。「スローンは最初からとても印象的な子猫でした。彼女はとても優しく、喉を鳴らす音が大きく、いつも甘い姿を見せてくれています」と養育主のケリーさんが言いました。
それから数週間後、スローンは先住猫の『マイリー(茶トラ猫)』と『パール(シャム猫)』を紹介されました。2匹はどちらも盲目の猫で、一緒に保護されて、ケリーさんの家族になりました。
2匹はまるでスローンが何を必要としているのかを知っているかのように、スローンのことを温かく迎え入れました。
スローンはいつも優しく接してくれる2匹の真似をしながら、様々なことを覚えていきました。2匹はキャットツリーに登る方法もスローンに教え、「障がいがあってもできないことは何もない」ということをスローンに伝えたのです。
「スローンはより自信を持って行動するようになり、キャットツリーを登り降りするための独自の方法も編み出しました。彼女が3本の足で器用に動き回る姿はとっても魅力的で、いつも私は彼女の姿に見入ってしまいます。」
またスローンは左の後ろ足を横に持ち上げながら、素早く走る方法も身に付けました。
その後、前足の可動性を取り戻したスローンは、少しずつ身体の動きを変化させていきました。するとスローンは今まで使えなかった左の後ろ足を少しずつ使えるようになってきて、その足に体重をかけることができるようになったのです。
「私達はこのような変化が起こるとは思っていなかったため、非常に興奮しました。」
ちょうどその頃、ケリーさんは新しく家に来た2匹の盲目の子猫達の世話を始め、そのうちの1匹がスローンと親友になりました。茶トラ子猫の『アミーゴ』はスローンに会うとすぐに夢中になって、一日の多くの時間を一緒に過ごすようになったのです。
「スローンは自分の人生を愛していて、親友になったアミーゴと一緒に楽しい時間を過ごしています。」
ケリーさんや保護施設のスタッフ達は、時間の経過と共に改善してきているスローンの足をより良い状態にするために、必要なことは何でもすることを心に決めているそうです。
スローンの人生の始まりはとても大変だったにもかかわらず、決して信頼と愛情を失うことはありませんでした。今のスローンは自分のことを理解してくれる人達に囲まれながら、回復に向かって前進し続けているのです。
出典:BestFriendsFelines/lovemeow
This post was published on 2023/02/21