ある日、三毛猫の『メイプル』が唯一の我が子の『サイダー』と一緒に保護されて、地元の保護施設へと運ばれてきました。サイダーはまだとても幼く、生後僅か1日でした。
保護された直後のメイプルは怖くて戸惑っていましたが、サイダーの世話を止めることはありませんでした。猫の親子は養育主さんを必要としていたため、保護施設『メトロ・アニマル・アンド・コントロール』の養育ボランティアのジェンさんが手を差し伸べました。
メイプルは静かで快適な環境の中で落ち着いた後、徐々に自分の殻から出てきて甘い猫へと変わっていきました。
メイプルは唯一の我が子を安全な場所で育てられることにとても感謝していました。
それから2週間、サイダーは確実に大きさと力強さを増していき、食事のたびに丸いお腹を披露してくれました。またサイダーはよろめきながらも歩けるようになり、身の回りを探索するようになりました。
ちょうどその頃、『クローブ』という名前の迷子の子猫がジェンさんの元にやって来ました。クローブはサイダーと同じ年齢で、お母さんの愛情を強く望んでいました。
その後、猫の親子とクローブが出会うと、サイダーがすぐにクローブのことを溺愛し始め、ギュッと抱きしめながらたくさんの愛情を注ぎ始めました。
それから2日ほどが経つと、メイプルもクローブのことを受け入れて、まるで我が子のように世話をするようになりました。ジェンさんはメイプルと1つのチームになって、クローブの世話を一緒に行いました。
クローブはジェンさんからミルクを飲ませてもらうと、メイプルに世話をされながら成長していきました。
そんな愛情深いメイプルは、最初からサイダーと特別な絆を共有していました。メイプルはサイダーが鳴くとすぐに駆け寄って、サイダーが部屋の中を歩き始めると、その後を追いかけるようになりました。
サイダーはメイプルの愛情を全身で吸収しながら、すくすくと成長していきました。
その後、サイダーの足腰がさらに強くなると、ジェンさんのところに歩いて挨拶しに来るようになり、大きな声で話し掛けてくるようになりました。そんなサイダーのそばには常にメイプルがいて、サイダーに危険が無いかをいつも確認していました。
「私はメイプルとサイダーの甘い絆が大好きです。これまでに多くのことを一緒に乗り越えてきたふたりは、いつも近くで幸せそうに過ごしています。」
そしてサイダーが離乳すると、メイプルは徐々に子育ての時間を減らしていき、代わりに子猫のように遊び回るようになりました。
「メイプルはよくバードウォッチングをしていて、羽のついたオモチャやボールで遊ぶのに夢中になっています。また赤ちゃんのように抱っこされながら運ばれたり、お腹を撫でられたりするのが大好きです。」
そして里子に出られるようになると、ジェンさんはふたりを一緒に引き取ってくれる家族を見つけたいと強く思いました。
そんな中、トビーという名前の女性がサイダーの投稿を目にしました。トビーさんはサイダーの愛らしい姿に夢中になって、家族として迎えたいと思うようになりました。
そしてサイダーのことを知るにつれて、母親のメイプルのことも気になっていきました。トビーさんはふたりを引き離すことができないと分かり、保護施設にふたりを一緒に引き取りたいと伝えました。
「成猫は子猫よりも里子に出ることが難しいため、私はトビーさんがメイプルを引き取りたいと言ってくれたことに喜びを感じました。そしてメイプルとサイダーがこれからもずっと一緒にいられることに心から幸せを感じました」とジェンさんが嬉しそうに話してくれました。
一方、メイプルに育てられたクローブも、別の保護子猫の『コスモ』と親友になり、ふたりで一緒に生涯の家へと旅立って行ったそうです。
こうしてメイプルとサイダーはずっと願っていた夢を叶え、これからも一緒に暮らせるようになりました。ふたりは生涯の家でもお互いにたくさんの愛情を注ぎ合いながら、いつまでも幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:nashfosterkittens/lovemeow
This post was published on 2022/11/28