ある日、路上を彷徨い歩いていた猫の『モーフィアス』が、快適さを求めて辿り着いた落ち葉の上で寝ていたところを発見されました。モーフィアスはお腹を空かせ、全身が荒れていて、明らかに獣医さんの助けを必要としていました。
モーフィアスのことを心配した数人の人達が、ご飯と水を提供しました。そして保護施設『リトル・ワンダラーズNYC』と協力して、モーフィアスを保護する計画を立てました。モーフィアスは人間慣れしていませんでしたが、自分に助けが必要だと分かっていたのか、その場から逃げようとはしませんでした。
これまでずっと雨風にさらされ続けてきたモーフィアスは、この日ついに野外での生活に別れを告げて、養育主さんの家で過ごし始めました。
推定年齢が約6歳のモーフィアスは、まぶたの異常でほとんど目を開くことができなくなっていました。「モーフィアスは両方のまぶたの一部が眼球の方に向いている『眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)』と呼ばれる状態で生まれました」と保護施設のスタッフが言いました。
「そのまぶたがモーフィアスの眼球を傷つけ、炎症を起こしていて、治すためには手術が必要でした。また彼はFIV(猫免疫不全ウイルス感染症)の検査で陽性反応が出ましたが、これまで命をつないできました。」
モーフィアスは経験豊富な養育主さんのケアを受けながら、静かな部屋で過ごし始めました。
モーフィアスはたくさんの美味しいご飯と快適なベッドにとても満足していました。モーフィアスは家の中が安全で、ご飯の心配をする必要がないことに気づくと、ゆっくりと休み始めました。
モーフィアスは手術の予定日を迎えるまでに上気道感染症を治し、順調に体力を回復させていき、ゆっくりと自分の殻から出てきました。
その後、無事に手術が成功すると、目の痛みを感じなくなったモーフィアスは、さらにリラックスしながら過ごすようになったのです。
「手術とたくさんの検査の後、モーフィアスは素晴らしい回復を遂げました。彼は保護された時とはまるで違う猫になりました。」
モーフィアスは家にいる他の猫達と友好的に接し、一緒にいることを楽しんでいました。またモーフィアスは他の猫達が人間と交流する姿を見て、自分も人間と接するための勇気が持てるようになりました。
「モーフィアスはいつも他の猫達と仲良くしていて、家の中で彼らのことを探すのが大好きです。またモーフィアスはウェットフードも大好きで、いつもあっという間にお皿を空にしています」と養育主さんが言いました。
モーフィアスは人間に対して距離を取っていましたが、次第に周囲に興味を持つようになり、人間が何をしているのかを知りたがるようになっていきました。
保護から数ヶ月のケアと社会化の後、モーフィアスは生涯の家を見つけるための準備を整えました。モーフィアスの全身の毛はフワフワになり、頭を撫でられることに幸せを感じるようになり、積極的に人間のそばで過ごすようになったのです。
「モーフィアスはとても遊び心があり、優しくて、愛されたくて、人間との生活に溶け込みたいと思っています。彼はこれまで長い道のりを歩んできました。」
その後、素敵な家族がモーフィアスの前に現れて、モーフィアスを家族の一員として迎えることを決めました。そしてモーフィアスは兄弟のように仲良くなった猫と一緒に、生涯の家へと旅立って行ったのです。
ふたりは最初の数週間、ソファーの下に隠れながら過ごしていましたが、ここが自分達の家だと気づくと、自信を持って家の中を歩き回るようになりました。
「私はその日、モーフィアスが真夜中にオモチャで遊んでいる音で目を覚ましました。彼は家に来てから3週間後にソファーの下から出てきて、ソファーの上で過ごし始めました」と新しく飼い主になったモニカさんが言いました。
モーフィアスは現在、新しい玉座(ソファー)の快適さを全身で楽しんでいて、同居猫と一緒に楽しそうに家族の後を追いかけているそうです。
「モーフィアスはいつも幸せそうに過ごしています。彼は落ち葉やゴミの上で眠る代わりに、お気に入りの赤いアンティークのソファーの上で寝ていて、室内生活を存分に楽しんでいます」と保護施設のスタッフが嬉しそうに話してくれました。
こうしてずっと野外で過ごしてきたモーフィアスは、優しい人達のおかげで新しい人生を歩み始めることができました。これからもモーフィアスは安全な家の中で大好きな家族や同居猫と一緒に過ごしながら、幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:littlewanderersnyc/lovemeow
This post was published on 2022/10/05