今から約2ヶ月前、動物の保護活動を行なっている女性が、路上を彷徨い歩く妊娠中の猫を見つけました。猫はお腹を空かせていて、食べ物を探し回っていました。女性は猫を保護すると、保護施設『ソルティー・アニマル・レスキュー』の共同創設者のカーリーさんとケイトリンさんに助けを求めました。
「猫は野生的な部分があり、人間を警戒していましたが、少しだけ身体を触らせてくれました。彼女は人間のことを信頼していませんでしたが、彼女と一緒に過ごすことで、いつか必ず心を開いてくれるだろうと感じていました」とカーリーさんが言いました。
猫はこれまでずっと路上で暮らしてきましたが、子育てに最適な安全で静かな家の中で過ごし始めると、少しずつ気持ちが変わっていきました。
『バンクシー』と名づけられた猫は、自分の殻からゆっくりと出てきて、徐々に撫でらえることを楽しむようになっていきました。バンクシーはとても恥ずかしがり屋でしたが、快適な空間と好きなだけ食べることのできるご飯に満足していました。
そして保護から数日後、バンクシーは7匹の元気な子猫達を出産しました。
「バンクシーは私が家を留守にしていた1時間半の間に、全ての子猫達を出産していました。私は彼女のために清潔で居心地の良い出産用の箱を用意していましたが、彼女は子猫達をトイレの中で世話していました。」
カーリーさんはすぐに子育てに参加して、猫の親子を快適で暖かい寝床へと移しました。それから2時間後、バンクシーの母性本能が完全に目覚めると、『ウォーホル』『フリーダ』『パブロ』『モナ』『モネ』『ボブ・ロス』『ダリ』と名づけられた子猫達にたくさんの愛情を注ぎ始めました。
「バンクシーはもう食べ物と避難場所を求めて、野外をひとりで彷徨い歩く必要はありません。保護された時の彼女は野生的なところがありましたが、出産するまでに少し時間があったため、私は彼女と絆を結ぶことができました。そのため彼女は私に子猫達を触らせてくれて、世話をすることを許してくれました。」
バンクシーが子猫達を毛づくろいで綺麗にしている間に、カーリーさんは7匹の子猫達がお腹をしっかりと満たしているかを確認し、ミルクが足りていない子猫には追加でミルクを飲ませました。また7匹のうちの2匹は他の兄弟よりも身体が弱かったため、24時間体制で補助的なケアを行いました。中でもボブ・ロスはミルクを飲めないほどに弱っていた時期がありましたが、必要な治療を行ない、チューブを使って栄養を与えると、無事に元気を取り戻すことができました。
一方のバンクシーは子育てを続けながら、さらに室内生活に順応していきました。またカーリーさんが子育てを手伝ってくれていることにとても感謝していました。
カーリーさんは子猫達が3週齢を迎えると、信頼できる犬の助手の『ヌード』を子育てに参加させる時期が来たと判断しました。「ヌードはついに念願の子猫達に会うことができてとても喜んでいました。彼女は子育てが大好きで、子猫達と一緒にいられることに最高の幸せを感じています。」
「ヌードは経験豊富な養育主で、いつも自ら率先して子猫達の世話をしています。彼女はとっても愛情深い犬で、これまでに家に来た全ての子猫達の世話をしてきました。」
バンクシーはヌードやカーリーさんが子猫達の面倒を見てくれるおかげで、少しずつ休憩を取ることができるようになりました。「バンクシーは7匹の子猫達を育てることに苦労していました。でも子猫達が随分と大きくなったため、私達に子猫達の世話を任せて、徐々に休む時間を増やしていきました。」
「バンクシーが私のことを信頼してくれたことにとても感謝しています。彼女は毎日進歩を続けていて、最初は緊張していた家の中でも自信を持って過ごすことができるようになりました。」
バンクシーが休憩を必要としている時はすぐにヌードがやって来て、ベビーシッターとして子猫達の世話を始めます。ヌードは子猫達の毛づくろいしたり一緒に遊んだりしながら、子猫達が社会化するための手伝いをしているそうです。
「ヌードは養育のプロで、これまでに数え切れないほど多くの子猫達の世話をしてきました。彼女は子猫達に囲まれることに喜びを感じていて、いつも幸せそうに子猫達と寄り添い合っています。」
子猫達は現在7週齢で、もうすぐ里子に出る準備を整え終わるそうです。「子猫達はそれぞれの個性が現れ始めていて、見ていてとても楽しい気持ちになります。」
「最初は内気だったバンクシーは随分と変わりました。今の彼女は私が養育部屋に入るとすぐに、愛情を求めて私の方へと向かってきます。そして私に頭を擦りつけて、大きな音でゴロゴロと喉を鳴らし始めます。きっと彼女が生涯の家で暮らし始めたら、家族にピッタリと寄り添いながら、室内生活を存分に楽しんでいくことでしょう」とカーリーさんが話してくれました。
こうしてカーリーさんの元で子猫達を出産したバンクシーは、人間のことを信頼し、新しい生活をスタートさせました。これからもカーリーは安全な家の中で、幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう(*´ω`*)
出典:saltyanimalrescue/lovemeow
This post was published on 2022/06/14