5年前、アマンダ・クルシンスキーさんが養育ボランティアになった時、子猫を育てることについて、このような話を聞きました。「(子猫の里親さんが決まり、) さよならを言うことは素敵なことです。さよならはゴールです。」
「私達は子猫達を人間生活に慣らし、子猫達が十分に大きくなるまで、健康に育てる責任があります」とアマンダさんは言いました。
「私は数年間、養育ボランティアをやってきて、1度だけさよならができませんでした。私はある子猫との出会いで人生が大きく変わりました。」
それは約1年前のことでした。可愛い巻き毛の子猫がアマンダさんの人生の中に入ってきたのです。
『ミーシークス』と名づけられた子猫は、雨の日に母猫や兄弟と一緒にダンボール箱の中から見つかりました。猫の親子はすぐに救助され、地元の保護施設へと運び込まれました。
翌朝、アマンダさんが施設を訪れると、保護されたばかりの猫の親子についての話を聞きました。「ミーシークスの母親はFIVの検査で陽性反応が出ました。母親や兄弟はみんな長い毛をしていましたが、ミーシークスだけは違っていました。彼はデボンレックスのミックスのように見えました。」
保護された子猫達には安全に過ごすための家が必要でした。アマンダさんは躊躇することなく、子猫達を預かることを申し出ました。
ミーシークスは他の兄弟よりもはるかに小さく、体重は半分以下でした。ミーシークスは常に誰かに抱きしめられたいと思っていて、アマンダさんの手の中でボールのように丸くなったそうです。
ミーシークスはすぐにアマンダさんのことが好きになり、アマンダさんがどこへ行っても後を追うようになりました。
数週間後、アマンダさんは子猫達の検査結果を見て衝撃を受けました。「子猫達はみんな汎白血球減少症(猫汎白血球減少症ウイルスによって引き起こされる感染症。子猫の致死率が非常に高い)の検査で陽性反応が出ました。」
しかし、アマンダさんは決して諦めず、子猫達と共に最後まで戦うことを誓ったのです。
「それから毎日、子猫達の治療を続けると、1週間後には回復の兆しが見え始めました。そして全ての子猫達が奇跡的に命をつなぎました。」
身体の小さなミーシークスも感染症と戦い続けました。ミーシークスは快適さと愛情を求めて、アマンダさんに何度も擦り寄ってきたそうです。どうやらそれがミーシークスに生きる力を与えていたようです。
子猫達が里子に出る準備が整った時、アマンダさんは子猫達を再び保護施設へと連れて行きました。
「私は今まで、育てた子猫達を施設に帰すことを躊躇したことはありませんでした。でもミーシークスだけは違っていました。私はどうしても彼を手放すことができなかったため、養子縁組の書類にサインをしました。」
その後、ミーシークスは特別な理由で、アマンダさんの助けを必要としていることが分かりました。ミーシークスは保護から数ヶ月間、誰にも気付かれなかった健康上の問題を持っていたのです。
「私はミーシークスを定期的に動物病院に連れて行き、獣医さんに検査してもらっていました。そしてその度に身体に異常が無いと診断された。しかしある日、ミーシークスは体調を崩しました。」
「吸引性肺炎による3度の発作、ガンの検査、試験開腹の後、彼は猫消化管好酸球性硬化性線維増殖症と診断されました。」
「この病気は最近になって提唱された炎症性疾患で、食欲低下や嘔吐などを引き起こします。まだ明瞭な治療方法が分かっておらず、ミーシークスがどのくらい生きられるかは獣医さんにも分かりませんでした。また病気を治療するためには、最新の研究結果を絶えず調べる必要がありました。」
「ミーシークスは残りの人生をこの病気と共に過ごすことになりました。彼は現在、ステロイド剤を毎日使用し、ビタミンB12を毎週注射し、吐き気を抑える薬を飲んでいます。彼は生きるために戦い続けています。」
アマンダさんは毎日、ミーシークスが新しい日を迎えたことを喜び、ミーシークスと一緒にお祝いをしています。「ミーシークスは窓辺に腰かけたり、レーザーポインターの光を追うのが好きです。彼の姿は私達家族にとって、喜びの源です。」
ミーシークスはどんな時でも、アマンダさんや家族への愛情に溢れているのです。
「私はミーシークスと別の部屋で寝ることができません。彼は毎晩、私と一緒に布団に入って、枕を引っ掻き始めます。でもそれは長く続くことはありません。彼は抱っこされるのが大好きで、私の腕の中で丸くなって、幸せそうに眠り始めます。」
そしてミーシークスは1歳の誕生日を迎えました。「私達はミーシークスの誕生日をお祝いできたことに、大きな喜びを感じました。彼は私達にとって、かけがえのない大切な家族です。私達はもう彼のいない人生を考えることができません。」
こうして幼い時に保護されたミーシークスは、アマンダさんのおかげで1歳の誕生日を迎えることができました。ミーシークスの身体はこの1年で随分大きくなりましたが、アマンダさんへの深い愛情は幼い頃からずっと変わることはないのです。
ミーシークスがあとどのくらい生きられるかは分かりませんが、これからもアマンダさんの愛情を感じながら、最期の瞬間まで幸せな時間を過ごしていくことでしょう。
出典:meeseeksyouout/lovemeow
This post was published on 2019/08/10