数ヶ月前、カナダのモントリオールに住む家族が家の外で1匹の野良猫に出会いました。家族は痩せ細っていた猫を放っておくことができず、世話をすることに決めました。
その日から家族は毎日、猫の信頼を得るためにご飯を用意するようになりました。猫は人間と接したことがなかったようで、家族には近づこうとしませんでしたが、空腹には勝てませんでした。
その後、家族は寒さから猫を守るために避難場所を建て、食べ物を運び続けました。すると猫は少しずつ人間のことを信頼するようになり、家族に近づいてくるようになったのです。
しかし2月の上旬のこと、家族は容器に入れたご飯が減っていないことに気づきました。猫はどこかへと姿を消してしまったのです。
それから少し経ったある日のこと、家族は猫が再び戻ってきたことに気づきました。心配していた家族は慎重に猫に近づきましたが、猫は以前のように逃げ出すことはありませんでした。そして無事に猫のそばまでやって来た家族は、猫のお腹の下に幼い子猫の姿を発見したのです。
猫は4匹の子猫を出産していました。家族はすぐに猫の親子を保護して、暖かい家の中に入れました。お母さんになった猫は全ての力を子育てに使っていたため、非常に疲れ切っていたそうです。
残念ながら4匹のうちの2匹は命をつなぐことができませんでした。家族は残りの子猫達の命を守るために助けを求めました。
地元で保護活動を行なっているダニエルさんは、子猫達の状況を知るとすぐに保護施設『シャトン・オルフラン・モントリオール』に接触しました。
その後、施設のスタッフから連絡を受けた養育ボランティアのステファニーさんが、猫の親子を自宅へと迎え入れました。そして親子に『シドニー(母猫)』、『メリ』、『メロ』と名づけました。
「シドニーはとても若いお母さんで、1歳になったばかりです。彼女はステファニーさんの愛情をすぐに受け入れて、新しい環境にもすぐに慣れることができました」と保護施設のセリーヌ・クロムさんは言いました。
シドニーは1日も経たないうちに人間の愛情を求め始めて、ステファニーさんや家族に頭をこすりつけて、キスをしてきたそうです。
「シドニーは幼い子猫達を安全に保ち、子猫達が独り立ちできるまで、しっかりと子育てを続けました。そして子育てを終わらせると、それまで以上に多くの時間を人間と一緒に過ごすようになりました。」
シドニーはとても甘えん坊な猫で、誰かが近づいてくると、愛情いっぱいに鳴き始めるそうです。「シドニーはとても甘く、注目されるのが大好きで、いつも人間の近くにいたいと思っています。」
その後、里子に出る準備が整ったシドニーは生涯の家を探し始めました。そしてついに今月の初め、新しい里親さんに出会うことができたのです。
シドニーは現在、モントリオールに住むジュリアさんの元で幸せいっぱいの毎日を送っているそうです。
一方のメリとメロもすくすくと成長し、生後3ヶ月を迎えました。すっかり人間好きになった子猫達は、新しい里親さんとの出会いが待ちきれないようです。
こうして優しい家族のおかげで人間との生活を始めたシドニーと子猫達は、安全な家の中で幸せな毎日を送り始めました。これからも猫の親子はそれぞれの里親さんにたくさん甘えながら、何不自由無い生活を送っていくことでしょう。
出典:Rescuechatonsmontreal/lovemeow
This post was published on 2019/05/27