ある日、南アフリカのケープタウンにあるホウトベイの町で『ジューン』という名前の子猫が見つかりました。
「独りぼっちで彷徨っていたジューンは、発見した人に保護されて、私達の施設へとやって来ました」と保護団体『DARG』のスタッフのホーリー・ギルバート・ジョーンズさんは言いました。
ジューンを引き取ったギルバートさん達は、すぐにジューンが他の子猫とは違っていることに気付きました。ジューンは生まれた時から盲目だったのです。
「ジェーンは全くものを見ることができませんが、自分が他の猫達と違っているとは思っていません。彼女は何でもひとりですることができます。」
その後、ギルバートさんはジューンを数ヶ月育てました。ギルバートさんは養育期間中に、ジューンのことをさらに好きになったそうです。ジューンはエネルギーに満ち溢れているだけでなく、とっても人懐っこい性格で、出会った人全てに愛情を求めてきました。
「ジューンには何か特別なものがあります。彼女は楽しさや嬉しさを周りの人達に伝播させる力を持っています。また彼女は全ての人達と友達になる才能があります。」
その後、Facebookの投稿でジューンを見たアンドリュー・ダフさんとレベッカ・ワーナーさんが、一瞬でジューンに心を奪われました。そして、二人はジューンに一度も面会することなく、家族として迎えることを決めたのです。そして、ジューンを迎えに行った時、自分達の考えが正しいことを確信しました。
「私達はジューンに一目惚れしました。彼女に会いに行った時、彼女はすぐに私の腕で丸くなり、私は自然と彼女を抱きしめました。そして私はその瞬間から、彼女を完全に手放すことができなくなりました。おそらく彼女は、私がこれまで出会った中で一番愛情深い動物です」とアンドリューさんが言いました。
その後、ジューンが新しい家に着くと、早速アンドリューさんの腕によじ登って、すり寄り始めたそうです。
「ジューンはアンドリューの首に巻きついて、そのままの姿勢で動かなくなりました。私達は家に帰る途中で『パパっ子』と書かれたタグを買ったのですが、まさにその通りになりました」とレベッカさんは言いました。
そんなジューンが暮らし始めた家には、『レイア』と『リールー』という名前の先住猫が住んでいました。2匹は新しく来たジューンのことをとても警戒したそうです。
「私達はジューンと先住猫が仲良くなるかを心配していました。最初の2〜3週間はジューンのことを威嚇して、家の中が混乱していました」とアンドリューさんは言いました。
しかし、最終的にレイラとリールーはジューンを受け入れました。
「ジューンは2匹と仲良くなろうと決心し、何度も2匹のところに突撃していきました。現在、彼らは最高の姉妹になっていて、お互いに愛情を注ぎ合っています」とレベッカさんは言いました。
そんな頑張り屋さんのジューンですが、家の外を散歩するのが大好きで、いつもハーネスをつけてアンドリューさんやレベッカさんと一緒に散歩をしているそうです。
「ジューンは他の2匹の猫よりも勇敢です。彼女は見ることができませんが、どこまでも歩いて行こうとします。彼女は色々な場所へ行き、頭の中の地図を埋めていきます。前の休暇中に出かけた時も、数分後には新しい場所の地図を頭の中で完成させていました」とアンドリューさんは言いました。
「ジューンを散歩に連れて行くと、彼女が優れた聴覚を持っていることに気付きます。彼女は花の近くでミツバチの羽音を聞いて、すぐに飛びつきました。また彼女は鳥の小さな鳴き声を聞いて、突然向きを変えることもあります。」
また、ジューンはアンドリューさんとレベッカさんに大切なことを教えてくれました。
「ジューンは安全を確認するために、身の回りにある全てのものの匂いを嗅ぎます。外の世界はとても大きいので、私達はいつも彼女が安全を確認するまでの間、ジッとそばで見守っています。そのゆっくりとした時間は、私達にとってとても素晴らしいものになっています。彼女は私達に人生の大切なことを教えてくれました。」
アンドリューさんとレベッカさんはもうジューンがいない人生を想像することができません。二人はジューンの全てを心から愛しているのです。
「私達はこれまでに、こんなに優しくて、こんなに幸せそうで、こんなに勇敢な動物に出会ったことがありません。いつもたくさんの幸せを届けてくれる彼女は、かけがえのない大切な家族です」とアンドリューさんは幸せそうに話してくれました。
出典:Holly Gilbert-Jones/Andrew Duff and Rebecca Warner/thedodo
This post was published on 2019/05/07