昨年の秋、生後数週の迷子の子猫が玄関先に迷い込んできました。子猫は感染症を患っていて、ひどく衰弱していました。すぐに動物病院に運ばれた子猫は、獣医さんの診察を受けて、目が見えなくなっていることが分かりました。そんな子猫の状態を知った保護主さんは、獣医さんに安楽死を強く望んだそうです。
しかし、獣医さんがその提案を拒否したため、保護主さんは別の獣医さんを探すためにSNSに子猫についての書き込みをしました。するとその書き込みはすぐに地元の保護団体の目にとまり、団体のスタッフが子猫を引き取ることを申し出たのです。
その後、脊椎手術から回復したばかりだった養育ボランティアのリー・ホーグさんが、子猫の話を聞きました。リーさんは子猫に養育主が必要だと知ると、すぐに子猫の世話を引き受けたのです。
「私はまだ痛みを感じていましたが、困っている子猫を放っておくことができませんでした」とリーさんは言いました。
『ベニー』と名づけられた子猫は、新しい家に着くとすぐに身の回りの探索を始めました。
「迷子だったベニーがずっと望んでいたのは、毛布のような柔らかいものに包まれながら、暖かい場所で眠ることでした。彼はとても愛情深く、いつも幸せそうに喉を鳴らしています。」
ベニーの両目は長い間放置されていたため、完全に視力を失っていました。
しかし、そんな状況にも関わらず、ベニーは何も恐れておらず、誰かに愛されて、抱きしめてもらうことを熱望していたのです。「ベニーには生きたいという強い意志があり、それが彼の命をつないできたのだと思います。」
ベニーの右目はひどい状態だったため、感染症を防ぐために摘出手術をする必要がありました。しかし、保護されたばかりのベニーはまだ小さく、手術ができるくらいに成長するまで、しばらく待たなければなりませんでした。
「ベニーは700gにも満たない状態で手術を受け、何とか手術を乗り越えることができました。私はその日の夜に彼を連れて帰り、自宅で看護を続けました。彼は誰かに寄り添ってもらうことを強く望んでいました。」
その後、徐々に身体を回復させていったベニーは好奇心を溢れさせ、至る所でイタズラをするようになりました。そして部屋中を駆け回り、階段から飛び降りようとさえしました。
新しい生活の中で人間の愛情を知ったベニーは、再び独りになることを望んでいませんでした。そのためリーさんがどこに行っても、常に後を追うようになったのです。
リーさんはそんなベニーを毎日仕事場に連れて行きました。ベニーはいつもデスクの上でリーさんの手伝いをして、オフィスの人達とも仲良くなりました。
そしてベニーが遊び疲れると、すぐにリーさんの仕事着の中に入って、幸せそうに眠り始めたそうです。
すっかり元気を取り戻したベニーは、全く恐れを知らず、いつも全てのことを知りたがりました。そのためベニーは驚くほどの聴覚と嗅覚を使って、様々な場所へと突撃していったのです。
「ベニーの障害になるものは何もありません。彼のことを知らない人は、彼が普通の子猫とは違うと思うかもれません。でも彼は私が今まで育ててきた子猫達と全く変わりません。」
「ベニーはあらゆる困難を乗り越えて、ここまで来ました。私は彼のことをいつも心配していましたが、彼はとても強い子で、毎日の生活をとても楽しんでいます。」
ベニーはベッドから飛び降りることができて、勢いよくキャットツリーに登ることもできます。さらにゴミ箱で遊ぶ楽しさも発見しました。
「ベニーは先住猫の『パーキンス』とも仲良くなりました。彼はいつもパーキンスの後を追って、お風呂場に行ったり、キャットツリーに登ったりしています。」
そして、ベニーが保護されてから3ヶ月が経ちました。ベニーは今の生活にとても幸せを感じていて、健康的で、驚くほど好奇心旺盛な子猫へと成長しました。
身体の大きくなったベニーですが、お気に入りの場所は以前と全く変わりません。人間好きのベニーとって、大好きなリーさんの腕の中が、一番幸せを感じる場所なのです。
リーさんはそんなベニーの姿を見ながら、「彼を止めるものは何もありません」と嬉しそうに話してくれました。
こうして独りぼっちで玄関先に現れたベニーは、リーさんや獣医さん達のおかげで新しい人生を始めることができました。ベニーは今の生活を心から楽しんでいて、優しい家族と一緒の毎日に、大きな幸せを感じているのです(*´ω`*)
出典:leighs_fosters/lovemeow
This post was published on 2019/01/19